かつての「和民」にも学べ。コロナ明けに飲食店が生き残る術とは

 

さて、今回のコロナ後ですが…。リーマンショック後と同じように、将来への先行きに対する不安感から財布の紐を占める人は増え、デフレの傾向になるのはある程度想像がつきます。そのため、低価格業態への需要は一時的にかなり増えるのではないかと思います。

また、すぐにコロナ前の状況に戻るということは考えにくく、特に、居酒屋業態は、しばらくテイクアウトやデリバーで売上を補わなければならない状況が続くでしょう。また、テイクアウト、デリバリーが普及(定着?)した今、そちらに移行してしまうお客様もいらっしゃることでしょう。

ただ、僕自身、テイクアウトやデリバリーを利用したり、自炊したりすることが、この1ヶ月多かったのですが、日が経つにつれ、

「あの店の焼き鳥が食べたい…」
「あそこのピザが食べたいなあ…」

なんて思うことが多くなってきました。やっぱり、家で食べるよりも、外食した時の料理の方が“圧倒的に美味しく”、経過劣化した商品では、やはり、満足度が落ちるのです。

ですから、今できることは、数は少ないかもしれませんが、「外食が好き」というお客様に対して、少しでも「外食してもらう」「店内飲食してもらう」ためには、しっかりとした3密を避ける対策や除菌対策はもちろんのこと、今まで以上に付加価値を提供することが求めらるのではないでしょうか?

飲食店、外食店の価値と言えば、やはり、「ライブ感」であり、“できたて”、“作り立て”の商品をいかにお客様に届けられるか?これが一番だと思います。

そして、その商品を少しでも美味しく召し上がっていただくための情報やさりげない接客、特に、当たり前のことを当たり前にやること(例えば、お替りのおすすめ、空いた皿のバッシング、取り皿交換、おしぼり交換など)がすごく大事なのではないかと思います。

家でも味わえることと同じレベルの外食店であれば、わざわざ外食する必要がないですからね。家では味わえないこととは、

  • 質の高い商品をできたてで食べられる
  • 自分でやらなくても、ドリンクをタイミングよく作ってくれる
  • 空いた皿を自分で下げなくても下げてくれる
  • 自分の食べたいものを提案してくれる

などなどでしょうか?

自分でも書いていて「普通じゃん!」と思うのですが、でも、この当たり前のことを当たり前にやること、また、その当たり前のレベルの高いことが、すごく大切なのではと思います。

この10年、やはり、当たり前のことを当たり前にやっている、また、その当たり前のレベルを高く維持できている店こそが、生き残ってきたような気がします。

image by: Shutterstock.com

中西敏弘この著者の記事一覧

若手飲食店コンサルタントとして、人気急上昇中の飲食店経営コンサルタント、中西敏弘が「売れる」飲食店作りの秘訣を論理的に、そして分かりやすく解説します。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 飲食店経営塾 』

【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

print
いま読まれてます

  • かつての「和民」にも学べ。コロナ明けに飲食店が生き残る術とは
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け