支持率急落の安倍政権が抱える「河井夫妻Xデー」という時限爆弾

th20200601
 

新型コロナウイルスへの後手に回った対応や黒川弘務氏を巡る不祥事等が響き、とどまるところを知らない安倍政権の支持率低下。朝日新聞の直近の調査では、第2次安倍政権発足以来最低を記録するまでとなってしまいました。しかし、支持率低下以上に安倍首相が恐れている懸念事項があるとするのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、首相が戦々恐々としている「爆弾」について解説しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年6月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

安倍政権はいよいよ危険水域に突入した!――支持率20%台は赤信号点滅

毎日新聞と朝日新聞の世論調査で安倍内閣の支持率は30%ラインを割り込んで27%、29%を記録、政権そのものがいつ倒れてもおかしくない危険水域に突入した。

アベノマスクも10万円給付金も(我が家を含めて)多くの家庭にはいつになったら届くのかも分からないという、政府のコロナ禍対応の失態が目に見える形でダラダラと続く中、国会は6月17日に会期末を迎える。いつもなら、1カ月程度は会期を延長して、数の力に頼って攻勢をかけ、いくつかの重要法案を押し通すのが与党だが、今はその気力も失せて早く閉幕となるのを待つばかりである。

会期末に前後して2つの重要な地方選挙があるが、6月7日の沖縄県議選では自公の足並の乱れもあって「オール沖縄」勢力の過半数をひっくり返せる可能性は少なく、7月5日の東京都知事選は小池百合子への対抗馬を立てられずに事実上の不戦敗となることが確実で、全く意気が上がらない。せめて6月下旬とされたG7サミットでワシントンを訪問し「外交の安倍」を久々に演出したかったが、メルケル独首相の欠席通告であえなく9月以降に延期となった。

何もいいことがないまま夏が来て、8月24日には第2次安倍政権からの連続した首相在任期間が2,799日となって佐藤栄作を抜き、文字通り歴代第1位となるが、誰もそれを祝おうとはせず、ただ「長ければいいってもんじゃないよね」と陰で言われるだけに終わるだろう。それにもめげずに秋口まで政権が続いていれば、秋の臨時国会前に内閣と党役員の顔ぶれを一新して「さあ、あと1年、頑張ろう!」と再スタートを切りたいところだろうが、官邸や自民党の中も公明党との関係もみなバラバラになっている中でのこの人事は難航必至だし、それ以前に、そもそも来年10月までに必ず総選挙があるという時に「安倍さんと一緒のポスターを貼って当選しよう」と思う衆議院議員が何人いるのかという問題になる。

そこでゴタゴタして混乱の中で政権崩壊となるよりは、そうなる前にスパッと辞めてしまおうという衝動が、疲れ切っている安倍首相の心の中で膨らんでくるのではないか。

自民党支持率も20%台へ

毎日新聞と社会調査研究センターが23日に行った調査では、内閣支持率は27%で、前回(5月6日)の40%、前々回(4月8日)の44%から急落した。森友・加計問題で政権批判が高まった17年7月の26%に次ぐ第2次安倍政権で史上2番目の低さである。不支持率は64%で前回の45%から跳ね上がった。

内閣支持率が下がっても自民党支持率はさほど下がらないという場合が少なくなくて、それは安倍首相がダメでも首をすげ替えれば自民党政権は続くという可能性を示唆しているのだが、今回は25%で、前回の30%、前々回の34%から大きく減って20%台に突入した。

新型コロナウイルスへの安倍政権の対応については、評価しないが59%(前回48%)、評価するが20%(同22%)、どちらともいえないが21%(同29%)で、評価しない人がかなりの勢いで増えている。黒川弘務=東京高検検事長が賭けマージャンで辞職したことについては「辞職は当然だ」が33%、「懲戒免職にすべきだ」が52%と、厳しい処分を求める声が強い。

他方、朝日新聞の23~24日の調査では、内閣支持率は29%。前回5月16~17日の33%からわずか1週間で4ポイント下がり、第2次安倍政権の発足以来の最低となった。これまでの最低は、森友・加計問題への批判が高まった18年3月と4月の31%だった。不支持率は52%で前回47%から5ポイント上がり、5割を超えた。

また自民党支持率は前回から4ポイント減の26%だった。

新型コロナウイルスに対する政府の対応を「評価しない」は57%にのぼり、「評価する」は30%だった。新型コロナ対応を通じて安倍首相に対する信頼感が「低くなった」人は48%と半数に迫り、「変わらない」は45%、「高くなった」は5%だった。PCRなどの検査体制の整備への政府の取り組みは「評価しない」59%、「評価する」25%。経済的な打撃を受けた人や企業への支援策も「評価しない」57%、「評価する」は32%だった。

また黒川検事長を定年延長させていたことについて、安倍首相の責任が「大きい」と答えた人は68%に達した。

こうして、コロナウイルス対応の迷走と黒川人事への執着が支持率急落の2大原因となっているらしいことが窺える。

print

  • 支持率急落の安倍政権が抱える「河井夫妻Xデー」という時限爆弾
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け