ITが苦手な親でもできる。子の論理的思考力を伸ばす「5つの質問」

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IT化、IoT化、AI活用などにより、仕事の環境や生活環境に変化は生じていましたが、新型コロナの影響により、そのスピードは加速しています。こうした変化は、社会で必要とされる人材にも反映され、これからはプログラミングの能力が必要となると言われています。小学校では今年度からプログラミング教育が必修化されていますが、親がサポートできることはあるのでしょうか。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんが、「プログラミング的思考力」=「論理的思考力」を伸ばすために、会話の中で意識して「5つの質問」を投げかける方法を教えてくれます。

どうしてプログラミングが必要?

Question

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飲食店を経営しているため、今回のコロナ騒動で経済的に一気にダメージを受けています。息子の将来について、心配になりました。自分のような自営では不安定ですし、かといって正社員になれば安泰という時代でも有りません。

これからはプログラミングができる人間が求められると言われていますが、息子は理系が苦手ですし、ピンとこないようです。何を理想として見せていけばよいのか迷います。(中1男子のお父様より)

柳川さんからの回答

第1次産業革命では、手仕事だったものが機械に、つまり手動から水力や蒸気による軽工業が起きました。これによって多くの労働者が職を失いました。

第2次産業革命では、蒸気機関やガソリンエンジンが誕生し重化学工業の技術革新が起きました。これにより自動車企業は大量生産ができるようになり「個人」から「組織」が重視されるようになりました。

第3次産業革命では、頭脳産業の到来でコンピュータを利用した生産ラインの自動化が始まりました。Apple、Google、Facebook、AmazonといったGAFAが牽引しています。企業が求める人材も「協調」より「自律」に変化しました。

そして、第4次産業革命は、新しい価値観が生まれます。すでにスマート家電などは日常になじんでいるように、すべての「もの」がインターネットに繋がり、これによって生じる様々な産業構造、生活様式が変化します。

これからどうなる?

今後は、人体にデバイスを埋め込む時代が来ます。電子タトゥーとも呼ばれますが、身体に電子回路を埋め込み、スマホと同じことが自分の身体でできてしまうということです。まさに究極のIoT(Internet on thing:ものとインターネットが繋がること)といえるかもしれません。在宅ワークはもちろんのこと、買い物、診療、娯楽などすべてが、家から出なくても可能になります。ですから、子育ての形も大きく変わるでしょう。

反対に、家にいないときも遠隔操作で家電を動かし、時や場所を選ばずに色々なことができるようになります。すでに今、ソフトウェアやWebサービス企業だけでなく、自動車や家電、金融、農業、医療など、ありとあらゆる業種が、ソフトウェアの力を活用するため、IT人材を求めています。

このようなIoTをはじめ、AIやビッグデータ、バイオテクノロジーなどが、社会の課題を解決する一方で、雇用が減少するなど社会の制度を破壊する側面もあります。そのため企業や仕事の在り方や働き方に大きな変化が起きます。今後は、組織の形や社員の働き方、価値観などが変わるため、『新しいプラットフォーム』を活用して新サービスを生み出していくことが求められます。

新しいプラットフォームとは、ITの進化によって生まれた、ビッグデータ、AI、IoT、クラウドなどの社会環境や技術のことです。GAFA(Google、Amazon、Faebook、Apple)もこれらを活用したり、作って提供する側になったりもしています。経済産業省の試算によると、これらに携わるためのIT人材が、43万人ほど不足していると報告されています(DXデータ参照)

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