輸入依存のジェネリック薬。有効成分「原薬」不足で課題浮き彫り

 

妊婦PCR

【毎日】は2面で、妊婦に対するPCR検査について書いている。見出しから。

(2面)
妊婦PCR 一長一短
「お産守る」全員検査
「偽陽性」なら負担強いられ

新型コロナウイルス感染の症状がない場合でも、出産前の妊婦に対するPCR検査を実施する動きが広がっているという。分娩時は呼吸が荒くなるなど、飛沫が飛びやすくなるとして、医療者側の感染リスクを減らし、妊婦の不安を取り除くのが目的だという。

出産時には助産師が長時間寄り添うほか、医師をはじめ多くの医療従事者が関わることになるので、院内のクラスター化を防ぐ意味でも検査が必要と判断する病院が出てきている。妊婦の中でも、症状のない感染者が一定数いるという米国の調査もあるという。病院側の要求で、京都府と京都市は既に5月1日、妊婦の検査費用を全額補助する制度の創設を決めたという。

●uttiiの眼

問題は陽性判定が出た後の対応。まず、病院は新たな妊婦の受け入れがしばらくできなくなる。さらに、患者となった妊婦を受け入れてくれる新たな病院を確保しなければならない。京都府の場合、感染者の妊婦については府立医大病院が受け入れ可能となり、また2カ月間に500人ほどの妊婦を検査した結果、陽性は1人だけだったという。こうした動きは他の自治体にも広がっているという。

もう1つ、PCR検査で「偽陽性」や「偽陰性」が出ることも問題だという。しかし、唾液を検体に採用できるようになるなど、検査の侵襲性は日々下がり、精度は上がっている。「偽陽性」や「偽陰性」のリスクは覚悟しながら、それでも院内感染の防止と妊婦の不安解消のために、基本的には公費による全額助成で検査を実施する必要があるのではないだろうか。

病院の中には、聖路加病院のように、「妊婦さんが感染していることを想定し、医療従事者が濃厚接触者扱いにならないようガウンやゴーゴル、マスク「N95」を装着するなど感染予防策を徹底している」というところもあるようだが、もし、相変わらず「PCR検査を極力避ける」マインドでそのような行動を取っているのだとしたら、本末転倒だろう。

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