デキる男はやっている。成功者たちの「シナリオ書き換え力」とは

 

まず、第1に、そのインフルエンサーは日本を代表するくらい頭のいい方々です。つまり「シナリオ通りに人生を運べる」人かもしれない。彼らに、書き換え能力は必要ないかもしれない。でもフォロワーくんたちは、おそらく必要なんです、将来、書き換え能力が。エラー経験がそう必要ない人の意見を、エラー経験しといた方がいい人たちが、丸々鵜呑みにしちゃってる。

元々の資質も才能も頭脳も違う中、ツイートの内容だけに傾倒しちゃうと痛い目に遭う。だいたい、インフルエンサーの言葉を受け売りで拡散する時点で、大凡人。凡人ならでは戦い方が必要なはずです。

例えば、その見識者の言葉自体は100%正しいのだけれど、その言葉の後に、隠された言葉も存在するはずです。
「 腕のいいお寿司職人になるのに、皿洗いの3年間は意味がなく、もったいない」という主旨のセリフの後に、「」して、(だったら、その時間、美味しいお寿司をつくる時間に当てた方がいい)がくっつくはずです。皿洗いのような直接、意味のないことに時間を割くくらいなら、いい職人になる為にダイレクトに行動した方がいい、ということです。

でも、この真意を理解せず「寿司握るのに、皿洗い関係なくね?草草草」と、そこだけをフォローしちゃったら、そいつ良い職人になれそうもないように感じてしまいます(笑)。もちろん偏見だけれど。「皿洗い必要ないんだぁ」だけを都合よく受け取ってると、この先物事がうまくいかなくなった際、おそらくシナリオを書き換えられない。台本がそこで終わる。

この20年、ニューヨークで多くの、特に資格も必要のない、自称なんとかカウンセラー、なんとかコンサルタント、なんとかアドバイザー、という肩書きの若い世代のビジネスマンに会ってきました。もちろん中には成功し、優秀なビジネスマンもいるのだと思います。でも、たまたま、本当にたまたまなのだと思うのですが、僕が実際に会ったそれらのビジネスマン(?)たちは、今現在、ひとりも残っていません。誰一人です。シナリオを書き換えたわけでもなく、一人残らず帰国しました。

出会った際は、アメリカ人もあまり使用しないビジネス英語を駆使して「時代を変える」もしくは、「ニューヨークの日系市場を変える」くらいな勢いだったのに。彼らの特徴はあまりにスタイリッシュでカッコいい「企画書」を見せてくれることでした。いや「企画書」などという僕のようなダッサイ、古臭い、単語も使いません。なんとかカントカ シート。だいたい横文字です。要は「企画書」なんだけど。

で、その企画書には、メイク・ストーリーだの、ブレイン・ストーミングだの、アジェンダ・コンプライアンスだの、オーソライズ・バジェットだの、単語がこれでもかというほど並んでいるにも関わらず、最終的な、肝心の「マネタライズ」の箇所が空欄になっている。

要は、出口はどこなの?という箇所がまるまる抜けています。つまり、ビジネスにおける、「お魚屋さんが、お魚売って、お金が入る」のいちばん肝心な「お金が入る」のセクションが、まるまる抜けている。

「え…っと…ビジネスモデルはわかったけど…どこで収益あげるの?アプリカントから取るっていうスキームなのかな?それとも手数料として課金するの?」

その基本的な質問への、答えはいきなりグチャグチャってなります。もっと言うなら、その出口の部分がまるまる抜けていることも珍しくない。おもしろいことに、結構な数でそんな「企画書」を見てきました。あ、「サジェスト・ナントカ・シート(ってやつ)」を。

「マーケットにムーブメントを起こす!」という前半のくだりは、意気揚々だったのに、収益を具体化する後半部分は、急に口ごもる。中には、「そこは…時代が決める、って感じですかね」という子もいました。いや、そこはさすがに、おまえが決めろよ。

決して彼らは能力が低いわけではありません。むしろ、かなり高い。非常にスマートです。スタートしていない時点で、リスク管理ができている。僕の20代の時とは比べ物にならないほど優秀です。

ではなにが問題なのか。

要は何が言いたいかというと、ビジネスに関してリアルではないような気がします。効率性を求めた結果「お金が入る」という出口付近までリアルに実感できていない。それ以前は「効率化」が発揮できる場所です。人件費を抑える。時短術。プロモーション展開。すべて効率化にして素晴らしいモデルになる。でも、人(客)が介在して、リアルに、課金させるシステムになると、彼ら(客)の心理、購買意欲までは「効率化」では解答できない。

ということは、一度やってみて(行動)、失敗して(エラー)、諦めるなら終わり(破壊)。でも、次に挑戦する際(再行動)は、多分、肝心要の「金稼ごう!」の箇所を明確にしているはずです(再生)。足腰が強くなる。それがシナリオ書き換え力、だと思うのです(失敗したら、そりゃ次はリアルな課金システムから逃げようとは思わないよね)。

成功も失敗も結局は「行動」しないと、体験できない、ということです(シマッタ、結局、最後は、精神論みたくなっちゃった・汗)。

最後に、もうひとつ付け加えるなら、日本で「行動」すれば、それだけでブランディングできます。人が注目してくれるし、なんなら、協力してくれるかもしれません。日本では「行動すること」自体が大チャンスなんです。

だって「出る杭は打たれる」文化だから。だから、しづらい。だから、していない人が多い。だから、目立てる。ニューヨークだと目立てません。みんな行動してるから。その為に世界各国からわざわざ来てるから。みんなが「出る杭」だから。そこらじゅう「杭」。「杭」だらけ。それが当たり前の中、目立てるわけがない。「杭」だらけの中、ちょっとやそっとの「杭」だと埋もれちゃう。

でも日本は「杭」になっただけで、注目されます。一目置かれます(ついでに、後ろ指刺されて、陰口も言われちゃいます♪)。

そして、「出る杭は打たれる」文化だからこそ、今までしなかった人も、できなかった人も、どこかで、あなたが行動すれば、うらやましく、手を貸したくなる。自分ができなかった分まで(もちろん、妬んで邪魔される可能性も大♪)。

効率の面からも、ブランディングの面からも、「行動」しないのは、あまりに損なのです。

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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