エテンザミド
アスピリンの効果はそのままに胃への負担を下げることを念頭に開発された薬。こちらはライ症候群の危険性はないため、アスピリンに近いとはいえ、15歳以下でも服用しても大丈夫です。アクラスの「ノーシン」シリーズがACE処方(アセトアミノフェン・カフェイン・エテンザミド)として、単品ではなく合わせ成分として使われていることが多いです。それ以外の効果はアスピリンに準じます。
ロキソプロフェンナトリウム
2011年から薬局売りされるようになった新顔で市販薬最強の成分。系統的にはイブプロフェンの上位版であり、現在薬局で買える痛み止めの中ではぶっちぎって最強の効力を持ちます。
しかしその強い効果の反面、胃粘膜を荒らす副作用も強くあり、エーザイの「セルベール」(テプレノン)などの胃粘膜を保護する成分の薬と併用するとよいので、購入時に薬剤師に相談しましょう。またガスターなどのH2ブロッカーとの相性は場合によっては良くないので、原則避けておきましょう。
他の薬にも言えることですが、飲み合わせに問題が出ることもあるので、病院に行った際、飲んでいる薬には必ず報告するのが大切です。
ブチルスコポラミン
薬局の痛み止めの中では別系統の「鎮痙剤(ちんけいざい)」というカテゴリーの薬です。
内臓の収縮などで起こる痛みなどに効果があります。どういう痛みかというと、ご飯を食べた後無理に走ったりしてお腹が引きつるような痛みを感じた人はいるとおもいます…アレです。
代表的なのが生理痛(生理痛は複数の痛みによるものですがその一部)で子宮という内臓が収縮することによって起きる内臓痛です。内臓の多くには痛神経がないため、内臓の異常は異常な収縮を体が感知すると、脳に信号を送り、そこで始めて「痛い」と認識される(かなり乱暴な説明なので一部語弊がありますがご勘弁を)痛みです。
これら先ほど紹介した痛み止めは効果が低く、内臓痛のクスリを併用することで覿面に改善することがあります。最近はエルペインといったこの成分を含んだ生理痛専用の薬も売られていますが、売り切れだった場合、ブスコパンと他の痛み止めの併用で抑えるなんてこともありなわけです。
■関連記事をアリエナイ理科ポータルでチェック!
● 風邪を引いたらコレ!ヘルドクターくられの市販風邪薬ランキング
● 防災にも役立つ!くられ先生の救急箱に入れておきたい薬局で買える薬
● 薬も過ぎれば毒となる?薬局で売られている薬の安全性の話
● ヘルドクターくられのクスリの話:医学東西・漢方薬という選択肢
● 花粉症の話:耳鼻科でなく内科で花粉症の薬を処方してもらおう!
● インフルエンザワクチンの本当の効果は、死亡率を下げる事にある
■新型コロナウイルスに関して
● 【新型肺炎】新型コロナウイルス騒動を正しく乗り切るための基礎知識
● 【COVID-19】新型コロナウイルスの肺炎・どうするのが良い?
● アリエナイ理科ポータルのこの記事をお読みになりたい場合は、こちら
image by: Shutterstock.com