個人面談で教師が思わず聞いた、「優れた子を育てる方法」とは?

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親が子供の様子を聞くため、逆に教師が家庭での子供の様子を聞くための個人面談。今年は実施できない学校も多いかもしれませんが、何人もの親と話す個人面談は教師にとって宝の山なのだとか。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、ご自身が個人面談で聞いた、ためになる子育てのコツをシェアしてくれています。

個人面談は宝の山

個人面談をやっていると、度々子育ての素敵な話を伺える。これまで通算何百人もの方々とやってきたので、素敵な子育てのコツをたくさん教えていただいてきた。私だけが抱えていても宝の持ち腐れになるので、ごく一部だがシェアする。

1.「うちでは『お手伝い』はないのです」

今でも尊敬する、初任の時の保護者の言葉。

「先生。うちでは『お手伝い』はないんですよ。家の事は、全員がやるものなので。手伝うのではなくて、それぞれの役割なのです」

初任の時に子どもへ「家でお手伝いをしましょう」と言ったことへの箴言。学級における当番活動の意義にも通ずる言葉である。

2.「うちでは、勉強をやれとは言いません。『クイズやる?』と言ってます」

大変に思考力の高い子どもがいて、どうやってそれを育てているのか聞いた時に教えてもらったコツ。

勉強ではなく、楽しい算数クイズ合戦で、子どもが学校で習ったものを出すこともあり、うんうん唸って解き合うという。

子ども目線に立った、素敵な言葉がけである。

3.「夜、子どもの脚をさすってあげるんです」

親子の強い信頼関係が感じられたので、何かしているのかと聞いた時に教えていただいたコツ。

ついつい何でも我慢しがちな子どもとのコミュニケーション手段だという。ちなみにこれは決して「甘やかし」の類ではない。夜、「脚が痛い」という子どもの脚をさすってあげると、ぽろぽろと出来事や悩みなどを話してくれるという。

身体も心も温まる素敵なコミュニケーション手段である。

4.「先生に全てをお任せしております」

1年生から高学年まで、それまで所属した全ての学級で「崩れ」があった子どもの保護者の言。さぞ学校不信が強いだろうと思っていた時に聞いたので、驚いた言葉。

ちなみにこの子どもは学業も優秀だが、幼少より続けている武道では全国大会一位をとっているほどの腕前。

何があっても「それも全て勉強」と割り切って、見守ってきたという。ある意味、これを言われたらこちらはもう頑張るしかないという言葉。こんな理想的な保護者を教員側が求めるのは図々しいにも程があるが、全てを「道」と割り切る強さを教えていただいた。

まだまだ、まだまだ、まだまだあるが、紹介するときりがないので一旦この辺で終わりにする(好評であれば、また紹介するかもしれない)。個人面談は教師にとって、子育てについて学べる最高の場である。

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【著者】 松尾英明 【発行周期】 2日に1回ずつ発行します。

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