メイクやマスク以前の問題。コロナ禍の「Zoom会議」失敗の原因とは?

 

■進行役の役割

報告・検討事項として、パワーポイントの資料が用意されていました。A氏が、Zoomの「共有」機能を使って、参加者全員に資料を見せようとします。ところが、A氏はうまく表示をさせることができません。Zoomの「共有」操作に慣れていない様子です。「使用機材の操作が分かっていない」ことで、会議の進行がとどこおります。A氏は何度も操作をやり直して、ようやく資料を見せることが出来ました。

「機材の操作」では、別のトラブルも発生します。会議中に参加者のパソコンやスマホから、余計な音が入ってしまい、会議の邪魔です。参加者の何人かが「ミュート(消音)」にしていないので、家族の声やTVの音が聞こえてしまいます。これでは、会議に集中できません。

そうならないためには、進行役のA氏かB氏が、参加者の音声を「ミュート」に切り替える必要があります。もしくは、発言者以外はミュートにするよう、あらかじめ伝えておくことです。これも進行役のミスといえます。

さらに会議は進み、A氏から「提案事項」の説明があり、「決議」に入ろうとしました。しかし、参加者の一人から異議がでます。「決定をするには拙速にすぎ、もう少し討議を重ねる必要がある」という意見です。A氏にとっては予想外のことのようでした。この場で「決定」に持ち込みたいとの気持ちが強く、強引に進めようとします。

これはいけません。関係者との意見のすり合わせが出来ていないようです。

結局、「決定」は持ち越されましたが、参加者の皆さんはこの議事進行を見て、少しつらい気持ちになったのではないでしょうか。

その後、A氏はいくつかの提案をしていきますが、どれもあまりうまく進みません。「話が横道にそれてしまう」こともあります。この状況で司会者のB氏は何をしているのでしょう。B氏は提案や議論をうまくまとめて、会議をスムーズに進めていくのが仕事です。「進行役」の役目がいかに大事かということがよくわかりました。

この90分の予定だった会議は2時間で終わることになります。まさに、うまく行かない会議の典型のようでした。そして、会議にはいかに「事前準備」が重要かということを思い知らされました。

あなたも会議を開くときは、念には念を入れて事前の準備をしましょう。

■今日のツボ■

・会議の進行がうまく行かないのには、理由がある
・会議は進行役の能力に左右される
・会議の成否は「事前準備」にある

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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