連日、日本列島を襲う猛暑。各地で35℃を超える、うだるような暑さが続いている。そんな夏の定番といえば怪談話だが、稲川淳二もビックリするような、奇妙な怪奇現象が起こっていると、SNS上で話題となっているのだ。それは、いつの間にか勝手に窓ガラスが割れている…というもの。
勝手に窓ガラスが割れるポスターガイスト現象か?
誰かがいたずらして割ったものでも、事故や事件でもない。では、やはり怪奇現象か? …もちろんそんなことはなく、実はこれ『熱割れ』という現象。
気温35度、室温をエアコンで冷房18度にすると、どうなるか
窓が割れます pic.twitter.com/SmFY3xlEEW
— うたくれすと@Aegis (@uta7me7) August 11, 2020
ガラスはとても硬いため、まさか突然割れるというような現象は信じられない人が多いだろう。しかし、実は夏はガラスが割れやすい時期なのだ。
この『熱割れ』という現象、日本を代表するガラスメーカーである日本板硝子のサイトには、以下のような説明が書かれている。
窓ガラスに直射日光を受けると、日光の照射された部分は暖まり膨張します。一方、周辺のサッシに飲み込まれた部分や日陰になった部分はあまり暖まらず低温のままとなります。
日光の当たった部分と当たらなかった部分の温度差、すなわちガラス面内(板内)温度差に比例し、ガラスのエッジ強度を越える「熱応力」が発生すると「熱割れ」が起こります。(日本板硝子HPより引用)
簡単にいうと、外は直射日光があたって暑いのに、室内でエアコンつけて涼しくしていると、大きな温度差が生まれて、ガラスが割れてしまうことがあるのだ。
中にワイヤーが入った網ガラスは要注意
この熱割れというもの、特別新しい現象ということではない。ガラスメーカーなどでは周知の現象だが、一般的にはあまり知られていなかった。初耳だという人も多いだろう。しかし、ここ数年、夏の暑さが激しくなり、一般家庭でも熱割りが起こるようになり、SNSでも上がってくるようになった。
ちなみに、この熱割れは、マンションでよく見られる、窓ガラスの中に網目のワイヤーが入っているタイプのサッシ窓で起きやすいという。一見すると、強度が高そうに見える網ガラスだが、意外にも割れやすいという。
というのも、網ガラスは割れにくいのではなく、火災が起きた時に、ガラスがまわりに飛び散らないようにワイヤーを入れたもの。破片は飛散しにくいが、決して割れにくいというガラスではないのだ。
修理交換の目安は3万円
では、もし熱割れによってガラスが割れてしまったり、ヒビが入ってしまったら、どうしたらよいのか? 残念ながら、この熱割れが必ずしも保険の対象とはなっていないようだ。その場合は自費での修理となってしまう。
窓ガラスの大きさにもよるが、修理交換の目安は3万円程度。意外とおおきな出費になってしまうので、いくら外が暑いとはいえ、室内を18℃とか冷やし過ぎないように注意したい。
もし、熱割れが起きてしまったら慌てずに、まずは大家さんや管理会社に報告してご相談を!