実は怖い「歩ける熱中症」の兆候って?鍼灸師が教える夏バテ対策

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東洋医学では「中熱(ちゅうねつ)」と表現される熱中症。気温が低めだった梅雨から急激に猛暑となったことで、病院に搬送されている人も増えているようです。重篤な熱中症になるのを防ぐには、「兆し」を知ること、気づくことが大切です。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』著者ののぶ先生が、軽度で歩ける程度の熱中症状態にある人の特徴と、熱中症になりやすい夏バテ状態を解消するための「こまめ」な対策を教えてくれます。

歩く熱中症

【東洋医学の熱中症】

熱中症というと頭痛や吐き気、めまいやふらつき、のぼせや動悸、息切れや意識障害などの強烈な訴えが伴うことが多いようです。すぐに救急車を呼ぶようなこともあるんじゃないでしょうか。

ただ、東洋医学で言う熱中症は、中熱(ちゅうねつ)という名前で表現されます。いわゆる暑気あたり、というやつですね。暑さ負けとも言います。一般的な重篤な熱中症になる前、程度の軽い熱中症の兆しのような状態から、中熱、あるいは暑気あたりとして、うかがい知ることができます。

【歩ける熱中症】

そういったところでは、気が付かないですでに熱中症になっている人は、たくさん巷にはいらっしゃる。歩ける程度の熱中症というところですね。こうした歩ける程度の熱中症の人は、足を引きずるようにして歩く特徴があります。

  • 顎が上がっている
  • 猫背
  • 腰や背中が反り返っている
  • 下腹に力が入らずふらふら歩く
  • 足が棒のように突っ張って、ひざが曲がらない
  • 結果、ズリズリッと足裏を引きずるようにして歩く
  • 平地でも躓いたり、転んだりする

【歩く熱中症は夏バテが前提】

こうした足を引きずって歩くように、すぐに暑さに負けてしまうのは、すでに夏バテをおこしているからです。暑さに対して十分に汗をかいて体を冷却するには、真夏を迎えてから2週間程度の時間が必要です。

でも、体力のある人や元気があって順応する力のある人は、季節の変化を早々に受け入れてしまうことができます。逆に体力がない、すでに夏バテしていると、カラダが変身することができません。暑さに適応する元気も備わっていない夏バテ状態だと、屋内でエアコンに当たりながら過ごしていても、熱中症になりやすいです。

夏バテ対策としては、

  • こまめに睡眠をとる
  • こまめに水分をとる
  • こまめに食事をとる
  • こまめに体を動かす

ということです。

暑さが厳しい中、ずっと寝ていたり、動いていると、体の熱がこもってしまってすぐに熱中症になります。寝てばかりいるよりは、室内で軽く体を動かして血行を促したほうが良いです。また、動きっぱなしは体熱がこもりますから、こまめな休養と水分補給が必要です。

夏バテしていても、食べないと体力が補われませんから、口当たりの良いものをこまめに、小分けにして食べるようにするとよいです。もし、すぐに下痢をしてしまうようなら、だいぶ体力を消耗していますから、お腹を温かくして、温かいものをこまめに飲みながら、涼しい部屋でゆっくり過ごしましょう。今年の残暑は猛烈に厳しく長くなりそうです。今からしっかり、ゆっくり、のんきに、暑さ対策をしていきましょう。

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臨床歴20年の鍼灸師。東京都杉並区在住。「やさしい鍼」という流儀で治療を行っている。小学生の娘2人をもつ、子育て真っ最中のパパでもある。メルマガには季節にあった体に負担のかからない暮らし方、食事のとり方が書かれているので、そのとおりに過ごせば病知らずです。

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【著者】 鍼灸師・のぶ先生 【月額】 660円/月(税込) 【発行周期】 毎週金曜日

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