特異度99%はもはやデマゴーグ
しかし、メディアでは別のパターンで偽陽性と間違って報道されることがある。感染回復期に死骸した無活性の死骸ウイルスの遺伝子を検出することだ。これは偽陽性とはいわないのであって、「感染」回復期をみているので、やはり感染があったことを示すものだ。これは偽陽性ではなく、新型コロナ感染の自然経過なのだ。
パンデミックの状況で大規模検査を行うときの推計では、特異度100%を常に用いるべき事前確率がどんな値であっても陽性的中率(事後確率)は100%となる。特異度がほぼ100%であれば、陽性的中率はほぼ100%なのだ。
しかし、厚労省の高級官僚や政府の分科会専門家は、いまだにこの検査の特異度は99%と紹介している。それは明らかに誤りであり、故意にやっているとしたらもうデマゴーグである。円周率を3.14の近似値とするならわかるが、いまだに3であると主張するようなものだ。子供でもおかしいと思うだろう。
イスラエル人の歴史学者ハラリは、新型コロナのパンデミックにおいて人類に最も脅威を与えているのはデマ情報だと述べた。デマを発している人の見抜き方として、ハラリはウイルスとは何か、そしてどのような構造をしているのかを聞いてみればすぐ分かると言った。日本のPCR論争においては、いまだに特異度99%などと言っている人はデマを流してるとみなし、誤りを訂正させた方がよいだろう。
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