ひれ伏す習近平。中国海軍が台湾沖で米台日同盟軍に勝てない理由とは?

 

大局を読めずに右往左往、韓国の運命は?

このような情勢下で、韓国はどうするのか。客観的に見れば、韓国文政権の「親中朝・反日米」路線は破綻した。北朝鮮は、国民が飢餓線上にまで落込んでいる。その反動が、南北合同連絡事務所の爆破となっている。国民の不満を逸らすための演出である。

事態がここまでこじれると、南北の早期修復は困難であろう。少なくも文政権が続く2022年5月まで、双方が対峙した緊張関係が続くほかない。

韓国は、中国との関係をどうするのか。米中対立激化の中で、経済のデカップリン(分断)まで進む気配が濃厚である。具体的には、香港残留を決めたワールドバンクが、その歴史に幕を閉じざるを得なくなっている。

英国HSBC(香港上海銀行)は創立以来、中国本土と二人三脚の関係にある。今さら、中国との関係を絶てないということで、香港への国家安全法適用に賛成せざるをえなくなった。これが、先進国から大きな反発を受け、米国内支店70店の閉鎖を決めた。英国でも27店を閉鎖し、フランスでリテール・バンキング事業を売却する

このように、中国と深い関係を構築した企業は、先進国が受入れないという厳しさが壁をつくっている。韓国は、これを持って他山の石とせざるを得まい。米中の二股外交が難しくなってきたということだ。

韓国が冷静に考えるべきは、すでに見たように中国の金融面の弱点が曝け出されていることだ。米中対立がさらに深まれば、米国が中国を金融面から締上げるであろう。そういう中国を選択することは、いかに無意味であるかだ。

習政権が、米国に対して構造的弱点を抱えながら、自らの権力維持でやむなく対立路線を歩まなければならないとすれば、韓国にとっての中国支持は自殺行為となる。この際、韓国の国益にとって、何がもっとも有益な選択かを問うべきである。

韓国は有史以来、中国へ依存する事大主義が、米中デカップリングで破綻することを認めるべきだ。実質的には、朝鮮戦争で侵略されたことで終わっているはず。それが、惰性で未だに存在するに過ぎない。韓国は、精神的に自立して、大人にならなければならない。

image by: Evan El-Amin / shutterstock

勝又壽良の経済時評

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経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。

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