高知小2水難事故に「事件性」示す新事実。捜査を妨害する者の正体とは

 

医療センターから出てきた死亡時画像診断など

優空君の死亡時、肺のCT写真

優空君の死亡時、肺のCT写真

これは、遺族にのみ開示された優空君の死亡時、医療センターにより撮影されたCTスキャンのデータの一部である。

これについて、私が見た時の感想は、肺に水がほとんど入っていないということだ。

ただ、溺水は、肺の水だけでは判断が難しいものだし、専門家に鑑定を依頼することにした。

医師や医療関係者による所見は下記のようなものであった。

「溺水とするには、縦隔条件のCTデータでは足りない」
「溺水ありきで作られている乱暴なものだ」

ということであった。また、医療関係者によれば、

「心臓と心臓を覆う心外膜の間に液体が大量に貯留することによって心臓の拍動が阻害された状態である心タンポナーゼが確認できるため、胸に強い衝撃を受けた可能性がある」

というものであった。

一方、この液体については、水に長く浸かることで、体中の穴から水が入って溜まることがあるので、何とも言い難いという意見もあった。

また、これについてはAbemaの番組サイドにも提供し、番組で精査した専門家にも鑑定を依頼したが、同様に、これのみで溺水とするには足りないという見解であった。また、肺の陰について、通常溺水判断のものとは大きく異なり、白い部分があまりに少ないという見解がある。

本人記録を確認したところ、学校の記録には、「気管支が弱い」という記録があった。つまり、このCT画像では、気管支が弱く肺胞ができたのか、水が入ってできたのか不明瞭と言わざるを得ないということだろう。

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また、番組では専門家が、警察の初動捜査のミス、立件できない条件があるものは司法解剖に回さないという慣例が、問題を深めてしまっていると批判があったのだ。

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不可思議であるのは、証言が二転三転する中で「貝拾いをしていてぬかるみにはまった」とされている医療センターのコメントである。

センターの医師は、こうしたことを確認できるわけではないから担当警察官からそのように説明を受けたということになろう。

しかし、これまで、貝拾いとしていた証言は出ていない。この段階で得られていた聞き取り聴取の情報は、「優空くんは一人で川に入り、ラッコ泳ぎをして川に沈んだ」というものであるのだ。

つまり、この段階から、「なぜ川に?」というのはその答えが統一されておらず、遺体には不審点もあり、医師からは司法解剖の検討をという言葉もあったという。

ところが、ご遺族によれば、対応した警察官は、司法解剖は無意味であり、仮に何か見つかったとしても、事件捜査にはならないから無意味に遺体を傷つけることになると説明を受けているという。

親の心情からしてどうだろうか?

汚い川の底からやっと見つかった我が子の遺体、そこにメスを入れてくださいと頼めるであろうか…。しかも、それは無意味だ、司法解剖をしても何もわからないと断言されてしまったら。

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