果たして不確かな情報とは何なのか?
市教委とご遺族のやり取りを確認すると、少なからず、この不確かな情報とは、ご遺族が発信するSNSでの疑問点や週刊誌の記事、未だに地元に流れている噂話を指しているということがわかる。
しかし、特にご遺族の発信はその根拠を録音やメールなどで確認することができるもので、多くは警察官からの報告や地元記者からの報告がその根拠になっている。
また、何かを断定するものではない。ただ真実を知りたいのだという思いに基づいているものだ。週刊誌などの記事も取材源があり、その根拠をエビデンスに基づいて示すことができるものだ。
そして、いじめ第三者委員会の設置は、法を根拠にするものであることが当然であり、それ以外の委員会はこの場合、有りようがないものだ。
つまり、「不確かな情報がある」から第三者委員会を設置するというのは、その根拠にならず、このような考えを設置権限者が持っていたら、その段階で完全に歪められた委員会の設置を目標としている宣言になってしまうのだ。
そこで、ご遺族は、この報道発表の訂正と修正発表を南国市教育委員会に求めたのだ。
しかし、回答は無茶苦茶なものであった。簡単に言えば、
「そんなことは一言も発していない。だから、修正する必要もない」
「それはメディアが勝手にやったことだから、一切責任は取らない」
「弁護士を通じず、抗議してきたが、今後はどちらに連絡したらよろしいか?」
という内容であった。
メディアはこれについての文書があります。とご遺族に伝えてきた。その開示請求をしたが断られたそうだ。
つまり、「不確かな情報」発言は市教委発行の何らかの文書に記録されており、それを見たメディアの記者らはこれを書いたというわけだ。
いじめ法をあまり知らないのか、この場合適切な取材をすればこのような報道発表になることはなかったのだからメディアの責任も重いものであるが、市教委に踊らされた感も強くある。
しかし、メディアは市教委から怒られたようで、ご遺族に言葉が悪くてすみませんと謝罪に来たのだ。そして、これで終わりにしようとした。
これは、南国市教育委員会がご遺族に向けて回答した書面の一部である。
これには確かに、「不確かな情報があるから第三者委員会を設置する」と書いてあるのだ。
つまり、南国市教育委員会は、「これまで不確かな情報が流れている」ので第三者委員会の設置を決めたのであり、これを責められると、「そんなこと言ってないもん」と記憶喪失を装って、遺族を貶めたのである。
行政が法を守らず、大ウソつきでは何の正常性も整わないであろう。
一方で、これを明らかにして糾弾しない報道は、ただの御用聞きに成り下がる、さらに、先じて情報をもらい、関係者当事者の取材をしないまま報道という格式ばった媒体が、記事にしてしまえば、それは新聞ではなく広報誌に成り下がったことを意味するだろう。
過去、高知においては白バイ事故というものがあり、その報道において県内メディアは全く動かず、隣県報道機関が連日詳細な報道を繰り返したということが問題となった。
ある高知新聞記者はそのことなどを取り上げて、ご遺族に手紙でこの問題だけは権力には屈せず報道としての役割を果たしたいと書いていて寄越したのだが、どうやら、一記者の思いは反映されていないようである。
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