菅義偉新首相と検察が裏取引?「安倍夫妻は不問に」談合政権の行く末は

 

「談合」で生まれた政権は長続きしない

さらに「暗さ」とも関連するが、談合で生まれた政権は初めから公明正大な正統性を欠いて「隠微さ」を抱え込むので、長続きはしないというのが一般法則である。

典型的なのは森喜朗政権で、2000年4月に小渕恵三首相が脳梗塞で倒れると、幹事長だった森氏が青木幹雄官房長官、村上正邦参院議員会長、野中広務幹事長代理、亀井静香政調会長を赤坂プリンスホテルの一室に召集し、その席で森氏を後継とすることを決めたので、後々これが「赤プリ5人男」と揶揄されることにもなった。森氏は01年2月の「えひめ丸」沈没事故への対応のお粗末をきっかけに支持率が8%まで下落して行き詰まり、1年余で総辞職した。

今回は5人ならぬ5派閥の談合で、総裁選を行うまでもなく菅氏に決めていた訳で、これを密室と言うにはややためらいもあるが、自民党の国会議員の多くや地方の党員・支持者にとっても国民にとっても全く見えないところでの決定であったことは同じで、こういうやり方はそれによって生まれる政権に勢いを与えることにはならない。

もし菅氏が、自分の最大弱点が「暗さ」の印象にあると自覚していれば、ここは敢えて正々堂々、党員投票を含む本格的な総裁選を自ら希望して実施して最初からそれを払拭することに賭ければよかったのだろう。それをしなかったのは、彼が小心者である証拠である。

閣僚・党人事にサプライズはあるのか

菅政権の本質は「安倍なき安倍政権」だから(本号FLASH 参照)内閣の骨格は大きく変えられないだろう。第1次森内閣が小渕政権をほとんど居抜きで引き継いだのと同じである。

具体的には、麻生副総理・財務相、茂木敏充外相、西村康稔経済再生相、二階俊博幹事長は留任だろう。官房長官は安定感のある森山裕国対委員長が本命で、河野太郎防衛相という説もあるが、口の軽い奴はスポークスマンには向かない。

総務相に橋下徹日本維新の会代表をサプライズ的に迎えて「自公+維」政権への布石とするのではないかという説もあるが、橋下氏のような目先の利く者が短命で終わりそうな菅氏に将来を託すかどうかは、かなり疑問である。

(メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年9月14日号より一部抜粋)

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早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。

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