しっかりした技術や製品、ノウハウがあり、収益も給料も高い。ところが、企業相手の事業であるため世間一般に知られておらず、採用活動で苦労する会社は意外なほど多くあるようです。読者のどんな質問にもズバリ回答するメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江一石さんは、そんなBtoB企業の知名度を上げたいなら、「BtoBなのに知名度が高い」を実現している数少ない成功例から学ぶべきとアドバイスします。
BtoB企業の知名度を上げるには?
Question
わたしはIT関連の中小企業(自社で開発したSaas製品がいくつかあります)で働いています。自社の知名度をあげていきたいのですが、どのようなことをすればよいでしょうか。私はSNSくらいしか思い浮かばないです。(BtoBビジネスなのでSNSの効果があるかも疑問ですが……)
永江さんからの回答
結論から言いますと、サイボウズのようにBtoBで知名度の高い企業の成功例を研究してみたらどうかと思います。
BtoCと異なり、元々BtoB企業で知名度の高い会社は多くありません。以前ブログに書きましたが、就活でもランキング上位は軒並みテレビCMで知られたBtoC企業です。給料がめちゃ高くて独自性があり、収益性も怪物級の産業用ロボット世界ナンバーワンのファナックが100位にも入ってなくて唖然としました。
● 学歴フィルターはそもそも悪か? – More Access! More Fun
わたしがBtoB企業で見習うべきだと思うのはサイボウズです。同社は上場企業ですが社員数数百名程度とそれほど規模は大きくなく、製品よりもリモートワークの推進や全社員副業解禁など「働きやすい会社」としての取り組みが有名ですよね。
特に代表である青野さんの発信力は高く、自ら三度の育休を取得したり、働き方改革で政府委員として精力的に活動したり、コロナ禍の中で大阪府と連携して全国の自治体にシステムのテンプレートを無償提供したりと活躍されています。
● 青野慶久/aono@cybozuさん (@aono) / Twitter
他にはアクシアもBtoBですが社長の米村さんがTwitterで積極的に発信され、いまや採用に困ることはない人気企業になりました。ただ一点注意すべきは、発信は社長か少なくとも管理職以上が行うこと。上記の2社も社長が会社を代表して発言するから注目が集まるのであって、一社員がいくら発信しても誰も興味を持ちません。
初めからGoogle並のサービスが開発出来れば一気に有名になれますが、そうでなければ自社に合った独自性のある取り組みで他と差別化するのがベストだと思います。
image by:IgorGolovniov/Shutterstock.com