幸福こそ最大の復讐である
そしてもちろん、「親が憎い」という人も少なくないと思います。思い出すたびにイライラや苦しみとなって過去の感情が蘇ってくる人もいるでしょう。
普通の人は、過去の出来事と自分の感情に折り合いをつけ、そういう黒い感情も時間の経過とともに薄らいでいくものですが、毒親の元で自我を押さえつけられて育った人の怒りと呪いの感情、あるいはトラウマは、下手をすると一生続くかもしれません。
しかしいくら呪っても過去は変わらない。なのに、そこで止まったまま苦しみ続けるのは人生の浪費ともいえます。ではそうした苦しい感情の繰り返しから解放されるにはどうすればいいか。
それは繰り返しになりますが、自分自身が成功し幸福を掴むことです。むろんそれができれば苦労しないよという反論もわかるのですが、毒親に限らず誰かを「許せない」と思ったとき、最高の復讐手段は「相手より成功し、相手より幸せになること」なのです。
「悔しい」「許せない」と思ったとき、真っ先にしたいのは「絶対にコイツより成功してやる」「絶対にこの人より幸せになってやる」と、感情の矛先を他人ではなく自分の未来に向けること。
そして実際に成功したり幸福になったりすれば、強い憎しみや呪いの感情は完全になくならないかもしれませんが、必ずやわらぎ、なつかしい昔の出来事に変わっていきます。「あの時があったから今がある」と過去の評価は変わってくのです。
私たちは「最新バージョン」だ
最後に、どうでもいい私の信条をひとつ。
私は「親を超えるのが子の役割」「子が親を超えてこそ、家系の繁栄につながる」と考えています。途中にどんなポンコツ親が挟まったからといっても、自分は何千・何万人もの連綿と続く祖先の血筋を受け継いだ最新鋭バージョンなのですから、自分が家系の中興の祖になるつもりで邁進したいと思います。
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