毒親からの呪縛を完全に断ち切る方法、あるいは復讐という名の幸福論

 

他人の「無責任なアドバイス」は無視していい

ですが、毒親に育てられた人に限って、「育ててもらったのに申し訳ない」という罪悪感にさいなまれます。

自己肯定感が低い人は固定観念も強い傾向があり、「家族は大事にしないと」などという強固な道徳観念を持っていて、親を捨てる行為になかなか踏み切れません。もしかしたら、本人も精神的にその毒親に依存してしまっている可能性もあります。

周囲に相談しても「親は1人(2人)しかいないんだから」「親は大切にしなきゃ」「家族は大事なんだから」「育ててもらった感謝を忘れてはいけない」「そんなの親不孝だ」などと言われます。

ただし、他人の意見は基本的に無視することです。親子関係が良好な人には毒親と対峙する苦しみを理解することは難しいですから、たいてい無責任なアドバイスでしかありません。

親子の形は親子の数だけあるわけですが、想像力に欠けた人間がすることは「アドバイスという名を借りた、本人の価値観の押しつけ」というケースがほとんどです。

他人の道徳観念はその人の人生の中で発揮すればよいだけで、自分は自分にマッチした道徳観念で人生を前向きに切り開く必要があります。

毒親を結婚式に呼ぶ必要はない

また、結婚するときに親の不在(結婚式に招待したくないなど)を言えないと悩む人もいるかもしれません。しかし、それも含めて結婚相手にすべて打ち明けてしまいましょう。丁寧に丁寧に、できる限り隠し事をせず、自分が受けてきた仕打ちと心の傷を説明する。

自分を大事にしてくれる人なら、その苦しみや親子関係を必ず理解してくれ、寄り添ってくれるはずです。その人の親族や周囲にもきちんと説明し説得もできるはずです。

それで「親不孝だ」「家族に冷たい人だ」「ウチの両親にどう説明すればいいんだ」「結婚式で恥をかく」などと言う反応をする相手なら、むしろ別れた方が良いでしょう。自分の配偶者となる人への思いやりよりも、自分の価値観や自分の体裁を重視するような人間だからです。

もちろん罪悪感はあるでしょう。しかし毒親に巻き込まれて自分の人生も沈んでいくのは避けたい。そこで考え方をちょっと変えてみる。

「親を捨てたという罪悪感を背負うということは、それと引き換えに幸せな人生を掴む義務があるということ」であると。

つまり、「親を捨てた以上、それに見合う幸せを手に入れなければならない。でないと捨てられた親が浮かばれない」と考える。「親をないがしろにして自分だけが幸せになるのは許されない」ではなく、「自分が幸せになることが罪滅ぼしになる」と捉えることです。

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