4.日本は独自の価値観を
世界第1位と第2位の経済大国か分断されることは、世界経済にとって大きな痛手である。しかも、米国はソフトウェア、金融に強みがあり、中国はハードウェアに強みがあり、同時に巨大な市場を抱えている。
軍事力は圧倒的に米国が優位だが、実は、中国製の製品を完全に止められたら、米軍の装備は維持できないという報告もある。互いに完全に切れないが、国としての基本的理念が異なる以上、簡単に手は組めない。もし、習金平首席が退陣し、民主主義と普通選挙を導入すれば、米中は一気に和解するかもしれない。
また、米国にバイデン大統領が生れ、民主党政権になれば、対中協調路線に転換するかもしれない。トランプ大統領が再選しても、駆け引きが好きなトランプ大統領が態度を変える可能性もあるだろう。米中和解は、日本経済の安定につながると見る向きもあるだろうが、個人的には、中国の圧力と支配力が増す可能性の方が高いと思う。
何よりも、中国生産に依存するようになって、日本経済は弱体化し、中国が豊かになったのは事実である。従って、現在のまま米中対立が続き、米国、中国が共に弱体化することは、相対的に日本に有利になるのではないかと思うのである。そして、台湾が世界から独立国家として認証され、日本、アメリカ、台湾、インド、オーストラリア、イギリス等の関係が緊密になれば、これまで進出できなかった市場に近づくこともできるだろう。
米中の価値観に支配されるのではなく、日本が独自の価値観を大切にするには、日本を正当に評価してくれる国との関係が重要だろう。それも含めて、米中の動きからは目が離せないのである。
編集後記「締めの都々逸」
「5Gなどなくてもいいさ 人にゃ目もある 脚もある」
5Gって他人を支配するための道具として使うのが最も効果的なのかもしれません。EVは交通事故にあうと良く燃えるそうです。自動運転のシステムがハッキングされると、新たなテロ行為が生れるかもしれません。
そうでなくても、5Gの電磁波は強いので、人体に悪影響があるのではと心配する人もいます。本当に5Gって必要なのでしょうか。むしろ、5G抜きで幸せになる方法を考えるべきかもしれません。何か、行き過ぎている印象があります。誰からも干渉されずに、自由に生きるとなると、ポツンと一軒家で暮らすしかないのかもしれませんね。(坂口昌章)
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