読売新聞の論調に変化? 核ゴミ処分問題報道は「原発礼賛」せず

 

*9月に入り、原子力規制委が六ヶ所村にある高レベル放射性廃棄物の「中間貯蔵移設」の安全対策を「妥当」と認めたことを受けて、解説記事。東電と日本電源の2社は、当面、原発敷地外に「核のゴミ」を排出できるメドが立ったことになるとの位置付け。それでも「仮置き場」に過ぎないとして、乾式貯蔵を紹介している。

*その後、寿都町町長と経産相、北海道知事との会談、寿都町住民への説明会、神恵内村の説明会、神恵内村の議会での請願採択などのニュース。そして…。

2020年10月8日付
寿都町の町長宅に火焔瓶のようなものが投げ込まれる。町長が文献 調査に応じる旨表明するのを妨害しようとしてのことか、70代の 男性町民が取り調べを受ける(その日のうちに逮捕)。

●uttiiの眼

寿都町住民の激しい反発と比べると、神恵内村は少なくとも表面上は「冷静」に文献調査に進んでいるように見える。既に大量の高レベル放射性廃棄物が生じている以上、仮に政府が「脱原発」を掲げることになっても、処理の問題は消えることがない。何らかの処分方法を考えなければならない。

《読売》は包括的に問題を捉えているように見えるが、行き着く先は、どこかの過疎の自治体か無人島のようなところに「核のゴミ」を押しつけること以外には、乾式貯蔵について僅かに言及するのみとなっている。そもそも日本のような場所で地層処分は正しい選択なのか、数万年以上も管理し続ける前提は妥当なのか、もう一度考え直す必要があるはずだ。

image by:TK Kurikawa / Shutterstock.com

内田誠この著者の記事一覧

ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 uttiiの電子版ウォッチ DELUXE 』

【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

print
いま読まれてます

  • 読売新聞の論調に変化? 核ゴミ処分問題報道は「原発礼賛」せず
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け