韓国テレビ局が北朝鮮の軍事パレード中継で支払った大金の出どころ

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日本でも大きな話題となった、北朝鮮の閲兵式の演説で金正恩朝鮮労働党委員長が見せた涙。その軍事パレードを巡り、韓国内である疑惑が浮上しているようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、野党議員が指摘した「閲兵式中継とカネ」の問題を紹介。さらに文政権となってから起こった疑惑や事件を列挙し、そのほとんどが未解決となっている現状を嘆いています。

文在寅政権には疑惑しかない

コロナ感染者がこのところ2桁台できていたが、10月13日は102人増とまた3桁台となった。9月末から10月初にかけての民族大移動の秋夕の影響は大々的には出ていないもようだ。

先月28日のメルマガ(「北朝鮮に国民を射殺されても雲隠れ。韓国大統領『空白の数十時間』」)でお伝えした「韓国公務員を北が射殺した」事件はその後も、明確な動きのない状況となっている。国(文在寅政権)はこの公務員が「越北」つまり南から北へ逃げていったものと断定しているが、公務員の家族をはじめいろいろの人は「越北」の確実な証拠はないといっている。この公務員の高校2年の息子が文在寅に手紙を出したことも話題だ。「うちの父は越北するような人ではない」というのがその趣旨だ。

昨夜のあるテレビ局の討論でも、与党と野党の議員が越北だ、いやちがうという水掛け論みたいな議論を延々としていた。いまだに結論は出ていない。いちばん最初の韓国の国防部の発表では北が南の公務員を射殺し、さらにそれを油をかけて燃やしたと発表していた。すぐ北からの通知文が来て、北が燃やしたのは公務員が着けていた浮遊物だというコメントをうけ、北は公務員を燃やしてはいないとするコメントを発表し、軍のヘリコプターや軍艦30隻以上を出してその海域を今も「捜索」している。これは捜索なんてもんじゃなくて、北のコメントを真(しん)と受け止めたというジェスチャーをしているだけのように筆者には見える。北が人間は燃やしてないという、じゃどこかに浮いているはずだ、探そうというわけだ。北の肩を持つような行為だけをする文在寅のやりそうなことだ。したがってあと1週間で1か月にもなろうとするのに、確実なことは何もわかってない状況である。

10月10日の夜、北が労働党創建75周年記念の閲兵式を行なった。韓国のあるケーブルテレビがこれを大々的に中継までした。今回の中継放送のため、北朝鮮に著作権料名目で相当金額の金が南から支払われたという。これは、北のニュースなどを南で報道する場合に北の放送局に支払うことになっているもので、2008年から現在まで蓄積されてきた北朝鮮の映像・著作物に対する著作権料は約21億ウォンあるという。2008年の金剛山観光客射殺事件を機に、著作権料の送金が中断していたのを今回の軍事パレードを機に、たまっていた21億ウォンの金を文在寅政権がドバっと北に送金したもようだ(確認はとれていないものの)。これはある野党議員の発言である。

金正恩はパレードの中で、人民に対して「ありがとう」「すまない」ということばを繰り返し、聖君のような印象を与えようとして懸命だった。今回のあの「涙」は、北の人民には「真実の涙」のように見えたかもしれない。演技にしてはあまりにも魂が籠っていたからだ。

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