南に対しても、南の人たちが元気にコロナを克服し北と手と手をつなぐ日がくることを願うなどと言って、文在寅のこのところなんども軽々しく演説している「終戦宣言」に呼応するような態度を見せているけど、軍事パレードに出てきた兵器をみたら、口と行動は180度違うことがはっきりとわかる。
あの戦車部隊といい巨大なICBMといい、ものすごい兵器を世に見せつけているのはなぜか。北の戦車で攻撃対象となるのはどこだ。中国か、ロシアか。南の韓国以外にない。巨大ICBMの攻撃対象はどこだ。米国だろう。つまり口では仲よくしよう、統一しようなどといいながら、実際には最先端の戦車部隊をあれだけ準備しているのだ。今回のパレードで見えた戦車など(戦車だけにとどまらずすべてだが)は、世界でも最先端技術を駆使して作られた戦車のようだというのが専門家たちの見立てだ。経済制裁をうけている中で、なんであんなすごいパレードができたたのか。中国が制裁を守っていないからであろうし、韓国もかなり怪しいものだ。
文在寅政権になってから、チョグク事態、ユミヒャン正義連事態、パクウォンスン(前ソウル市長)事件、チュミエ事態、公務員射殺事件など、去年から続く一連の事件、事態が、ほとんど未解決のままうやむやになっている。
10月6日に行われた、日米豪印戦略対話(Quadクアッド)にも米のポンペイオは韓国を誘ったが断わっている。勿論、韓国の立場はむつかしい立場だ。すぐ隣の中国を無視できないし、米との関係も重要だ。そんな中で中国包囲網を構築しようというQuadクアッドの会議に出るか、出ないか。どっちもむつかしいのはわかる。しかし韓国は米の戦力を背景に今もその存在を永らえているわけだから、米を無視して中国にすり寄ることは、いかがなものかと思わずにはいられない。北とは米をはずして自分たちだけで仲良くやるんだよといっているが、世界のパワーバランスがそんなに簡単に成立するものなのか。
問題の根源は、文在寅が米と日がきらいで北と中が好きというこの嗜好にある。この政権は2022年5月まで続く。その間は、すべてにおいてちぐはぐでばらばらで落ち着かない空気をじっと耐えるしかないもののようだ。
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