まるで押し売り。なぜあなたの営業トークは客に嫌がられるのか?

shutterstock_1112345444
 

売れる営業マンと売れない営業マンでは何が違うのでしょうか。売れてもあとからクレームが来る営業マンとクレームがまったく来ない営業マンでは何が違うのでしょう。メルマガ『毎月1000人集客するプロ講演家が教えるコミュニティづくりの秘訣』の著者で、ベストセラー作家・起業家の岡崎かつひろさんが、交渉相手に嫌がられてしまう営業マンに見られる「5つの不足」を具体的にレクチャー。一つひとつ確認し充足していくことで必ず道は拓けると伝えています。

初対面の相手とも旧知の中!相手との仲を一瞬で深める質問力

人の話を聞く時は、こんな聞き方をすると引き出しやすいです。「現在」「過去」「未来」です。それはなぜかというと、今やっていること、感じていることというのは、一番話しやすいですよね。「今、OLさんをやっているんですね。OLさんも今の時期、コロナがあって仕事が大変なんじゃないですか?」「もともとOLさんをやろうと思っていたんですか?」「以前はどんなものになりたいと思っていたんですか?」と聞きます。

そうすると相手は「昔はこんなことをやりたいと思っていたんですよね」「仕事で成果をだして、長期休暇には毎年、海外旅行をしたいと思っていたんです」というような話が出てくると思います。「そうなんですね。では、このままがんばっていたら、将来はその夢を達成できそうですか」と聞きます。そうするとたいていは「いや、このままいってもなかなか実現できるかどうかわからないです」と続くわけです。

「なるほど。だったら、今何かできることってありますか?」「たとえばなんですけど、今遊びに毎月4、5万円くらい使っていますよね、そのうちの2、3万を将来のために準備してみるというのは、どうですか?」と聞きます。これをしていくと「イエス」は、けっこう簡単に取れます。

その結果、彼女は僕が勧めた「不動産投資の話をくわしく聞きませんか?」ということに対して「イエス」といってくれるかもしれません。ただ、この手法で進めていくとなにが起きるかというと、あとからクレームが来る確率が非常に高くなります。

「作為的なイエス」はクレームにつながる

なぜ「イエス」を言わせる手法を取ると、あとからクレームが多くなるかと言うと、相手からすると「イエスを言わされた」というコントロール感が残るからです。もちろん残らない人もいます。ただ大概の人はこれをやられている時点でどこかで気づきますよね。「イエスばかり言っているとノーが言えなくなるだろうな」と思うんです。でも途中でハマってしまうとノーと言えなくなってきます。それで「じゃぁ話を聞きます」「その商品を買います」となります。

安いものであればまだ良いかもしれませんが、不動産など高額なものに関しては後から大きな問題になることがあるでしょうね。僕は、会社員時代、今みたいな作為的なイエスが多かったんです。だから交渉事においてイエスを相手から引き出す確率は非常に高かったんですが、そのかわり後から「やっぱりやめます」と言うことが非常に多かったんです。

当時の僕の関心事は、どうやったら相手に僕の主張をイエスと言わせるかということでした。相手の話をちゃんと聞けるようになってからは、僕の関心ごとは、相手がベストの選択をするためにはどうしたらいいかということに変わりました。自分が変わり始めると、自分の主張を通すことよりは相手が喜んでくれるという観点で話をするので、嫌がられることが減りましたね。ただかわりに「イエス」が取れる割合が減るのでクロージングが難しくなります。そうすると自分の目標達成がしにくくなります。

print
いま読まれてます

  • まるで押し売り。なぜあなたの営業トークは客に嫌がられるのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け