まるで押し売り。なぜあなたの営業トークは客に嫌がられるのか?

 

「求めている人に求めているものを」ビジネスの基本に立ち返れ!

交渉ごとにおいてイエスが取れる割合が減るのであれば、逆に母数を増やすことが大切です。うまくいかない人というのは、小さなマーケットをこねくり回すんです。逆にうまくいくセールスの人は、狭いパイでなんとかするのではなくて、一生懸命新しいお客さんを広げてどんどんファンを獲得していきますよね。当時、僕も行動範囲を広げて出会う人の数を増やし、ビジネス的な提案ができる方を増やしていく方向にシフトしました。

これはいつも言いますが、ビジネスの基本は求めている人に求めていることを提供することじゃないですか。コーヒーを飲みたい人にコーヒーを提供したら喜ばれますよね。

たとえば友達がコーヒーショップを出しました。「この近くでコーヒーショップを出したから来て」と、友達が声をかけてきたとします。その時、たまたま自分は先を急いでいて、時間がないという時だったらどうなるか。普通は断りますよね。その時に相手が「わかった。じゃあまたきてね」だったらいいでしょう。しかし、友達が「そんなこと言わないで、友達なんだから来てくださいよ」と始まったら嫌じゃないですか。嫌ですよね。要は何が言いたいかと言うと、たとえ友達であっても押し売りはしないと言うことです。

営業マンが知るべき「5つの不足」とは?

話がちょっとずれてしまいますが、人がなぜ押し売りをしてしまうかと言うと、ちゃんと原因があります。求めているものに人に求めているものを提供したら喜ばれます。これはほとんどの人が知っていることです。商売でうまくいっていない人のほとんどは、これができていないわけです。どういうことかというと、求めてない人に求めてないものを提供したり、物を求めている人なんだけれど、求めてないものを提供してしまう。

原因はいくつか考えられます。例えば「何とかセミナーに来てくださいよ」みたいに誘ってくる人もいると思うんです。押し売りする人は、相手との関係性が壊れる可能性があるにもかかわらず、押し売りをしてしまうのか。そもそも誘っている側からしたら、「せっかくいい情報を教えてあげたのに、なぜこれをやらないのか理解に苦しむ」というような考えをした人もいます。これは「知識の不足」が原因です。

【知識の不足】「焼酎」と「焼酎シロップ」その違いに気づけるか

「知識の不足」とはどういうことかと言うと、「自分がいいと思ったものは、まわりの人もいいと思うだろう」という勝手な思い込みです。例えばそれは自分の状況では必要だったかもしれないけど、他の人の状況では必要がないかもしれない。

先日こんなことがありました。僕はよくチューハイを飲むんですよ。チューハイと言うのは焼酎のソーダ割です。ただ、居酒屋さんによっては、焼酎シロップで割っていることがあるんですね。そうすると、焼酎シロップを使った焼酎というのは、砂糖が入っていて甘いんですよ。

僕の希望としては、砂糖が入っていないものが良いのでここのチューハイは焼酎が甘くないかと聞くんです。そうすると甘くないですと答えるわけです。僕は甘くないものを飲みたいんです。店員さんはそれを聞いて「甘くないものです」と言う。僕はその答えを聞き、「甘くないのであればそのチューハイをください」と言うわけです。でも、実際に出された焼酎は、10回のうち1回の割合で、甘い時があるんですよ。要は、そのお店では焼酎ではなく焼酎シロップを使っていたのです。

さきほどの「知識の不足」と言う観点でいえば、店員さんは、お店で提供しているチューハイがあまり甘くないかを知らないで出してしまっている。もう一つの考え方としては、その店員さんは「そのチューハイの甘さは自分にとっては甘くない」と思っている。そうするとお客様との知識の差があってミスマッチが発生しますよね。これが、お客さんが嫌がる原因の1つです。

【能力の不足】コミュ力+プレゼン力は足りているか

能力の不足も考えられます。それは何かと言うと、もしかしたら店員さんは焼酎に砂糖が入っていたことを知っていたかもしれない。しかし、お客様が、まったく砂糖が入っていないものを望んでいるということをキャッチできていない。これはコミュニケーション能力が足りないんです。プレゼンテーション能力もたりません。

もしその人がちょっと甘くても気にしない人であれば、その焼酎でも正解です。「多少の甘みはありますが、私は特に気になりません」と言う場合です。さらに、正しい知識があれば、「もし全く砂糖が入ってないものがよろしければ麦のソーダ割りをお持ちすることができますが、いかがでしょうか」と聞くこともできます。こういう聞き方だったら完璧です。この受け答えができないというのは、能力の不足でしょうね。

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