顔に泥を塗られた過去。バイデン大統領が韓国の文政権を許さぬ理由

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いよいよ近づいてきたバイデン氏の大統領就任ですが、その職務は米国大統領史上もっともハードなものになることは間違いないようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者で元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、バイデン政権が直面する国際情勢を詳細に解説するとともに、予想される新大統領の対応を分析しています。

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バイデン新政権が直面する「不確かで激動」の国際情勢

「ジョー・バイデン氏の仕事はもう終わった」

こんなことを言ったら皆さんは私が気でも狂ったかとでもお思いでしょうか。

トランプ大統領がまだどこかで“勝利”を信じていて(実際にホワイトハウスでのハヌカパーティーで、「私たちが勝った」と発言しました)、次男のハンター・バイデン氏がFBIから捜査対象にされていて、かつバイデン氏自身もグレーと判定されているからでしょうか?(余談ですが、ゆえにCNNは、バイデン氏をかつてのように熱狂を込めてPresident-Electとは呼ばずに、また前副大統領という呼び名に変わっているのですが、皆さんお気づきでしょうか)

この衝撃的な発言の背後にある理由は、そのどれでもありません。名前は明かせませんが、米・民主党の重鎮が実際につぶやいた言葉です。その方曰く、「バイデン氏の仕事は、ドナルド・トランプ氏が再選されることを何としても阻止することであり、彼は見事にそれをやってのけた。十分に期待された仕事をしてくれた。これで彼の役割は終わった」とのこと。

いやいやそんなことはないでしょう?

そう私も思いますが、民主党からすると特にバイデン氏がfirst choiceであったのではなく、あくまでも消去法で「トランプに勝てる候補で、かつ民主党を団結させるための候補』に選ばれたというのが理由だそうです。

私も国連の紛争調停官時代に、外交委員会の委員長を務めていたバイデン氏にお目にかかったことが何度かありますが、テレビ画面から見るように、常に笑顔で本当にいい人です。トランプ氏はSleepy Joeと揶揄しましたが、いうなればSmiley Joeとも言えます。ただ、トランプ大統領の使った表現もあながち冗談ではなく、実際にバイデン氏の上院議員そして副大統領としての成果を見てみても、特に目立った功績はありません。そして問題は、彼が今回の大統領選で掲げた政策はどれも“彼の”政策ではないということでしょう。勝つために、トランプ政権の対抗軸として掲げられた政策・方針であり、その実行可能性は二の次となっている印象を、中身を調べれば調べるほど、私は強くしています。

  • パリ協定への復帰
  • 2050年までに脱炭素
  • イラン核合意への復帰
  • 就任100日で大多数の米国民にコロナワクチンを接種

どれも素晴らしい掛け声ですが、これらのスローガンに対して、米国民および来る新政権中枢が持つ期待と、国際社会、特に欧州各国が抱く希望との間には大きなギャップがあるように思われます。それをいくつか見ていきましょう。

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