設立するなら株式会社と合同会社どちらが得?人気税理士が徹底解説

 

(5)株式の公開・決算の公告義務等

株式会社は株式公開が可能。株式公開とは証券取引所にて出資者=株主を不特定多数の人から広く公募出来ることを意味します。つまり上場することが出来るのです。

一方、合同会社はそもそも株式公開が出来ません。それ以前に世の中に広く流通させられる株式と言う概念がないのです。そのため上場等壮大な目標がある場合は、株式会社をオススメします。

また、株式会社には、実は決算書の公告義務があります。政府の機関紙である官報等で財務情報を開示する義務があるのです。一方、合同会社にはその義務はありません。しかしながら、実際は上場企業以外の中小企業で決算公告をしている会社は皆無に等しいのです。罰則ルールも一応あるのですが、未だ適用例がありません。

(6)税制面

株式会社と合同会社で税制面の違いはなく、税率構造等も全く同じ。税制面での有利不利はありません。

(7)社会的信用力

まだ聞いたこともないという人も多い合同会社ですが、導入された2006年当初と比べるとその設立件数は増え、随分世の中に浸透してきました。それでも稀に『聞いたことがない』という人もいます。実際にお客様の創業融資相談の際、ある金融機関の担当者に『合同会社って何?』と聞かれたことすらあります(笑)。結果的に融資審査が不利になったわけではありませんが、ひょっとしたら審査担当者のさじ加減次第では不利になることもあるのではないかと考えています。彼らも信用力がなさそうでイマイチ不安だと思うのでしょう。

しかし、アップルジャパンやグーグル、アマゾンジャパン等世の中の超有名企業の中にも合同会社が実は沢山あるということを覚えておきましょう。あとは個人の感覚次第ですね。

さて、以上の相違点等を知り、余計に迷ってしまった、という方も多いかもしれません(笑)、改めて参考になる判断基準をお伝えしておきます。それはコスト面と信用面を基準に考えることです。

  • とにかくコストを抑えたい! ⇒ 合同会社
  • 得意先に対する与信面等で問題なさそう! ⇒ 合同会社
  • 上場会社等大きな会社と取引することも想定されるので万全を期しておきたい! ⇒株式会社

いかがでしょうか?この判断基準を参考に決めて頂きたいと思います。なお、一旦合同会社を設立してから取引上どうしても不都合が生じた場合、コストはかかりますが、株式会社への変更も可能。そしてその逆も可能。ご安心下さいね!

ちなみにこのメルマガの著者である私自身、株式会社と合同会社を経営しています。株式会社はコンサルティング業務や大手の会社に対する企業研修業務がメイン。一方、合同会社では太陽光発電事業を営んでおりさらに今後は不動産賃貸業等も検討しています。コスト面と信用面を考えながらこの両者を使い分けています。是非参考にして下さい!

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大学卒業後会計事務所に入所。中小企業および個人の税務申告や経営サポートに携わる。その後、新日本アーンストアンドヤング税理士法人に移籍し、国際税務業務に従事。2005年ヒロ☆総合会計事務所を設立。2010年に株式会社ヒロ経営研究所を設立。税務・会計に関するサポートの他、起業・経営コンサルティングを行い中小企業の経営改革推進を行う。『税理士らしくない税理士』として専門用語を使わずに喋るセミナーは各方面で好評を受け、現在は税務のみならず起業や経営についての講演活動にも力を入れている。自身が運営する、登録者数約10万人超のYouTube『税理士YouTuberチャンネル!!』は初心者向けに税務や経営の問題をわかりやすく解説されており非常に評価が高い。

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