再び非常事態宣言か。国民の命より二階氏の顔色を気にする菅総理

 

医療崩壊と緊急事態宣言

今は、医療崩壊の危機であり、それをどう食い止めるのかが重要な視点なのである。この医療崩壊を食い止めるために、コロナ感染者増加を食い止める必要があるのだ。

しかし、日本の病床数は、概ね100万床と言われているが、その内、コロナ対応は3%の3万床しかない。予算も2万8,000床分であり、この数自体には疑問がない。

ということは、全病床の10%を当てれば、医療崩壊は起きないことになるが、今までは、医療効率化で、病床数を減らし、感染症の医師と看護師を減らしたことと、競争原理で民間医療機関を増やしたことで、外科などの儲けの大きな病気対応で、コロナのような儲けにならない感染症を拒否する病院が増えたことによる。

その結果は、医療崩壊である。これはICUと感染症の医師と看護師がいないからである。

医療崩壊は、厚労省の医療系予算の削減と結びついている。このため、今後は感染症などの緊急時対応を想定した医療体制を整えることが必要になるが、急には体制ができないので、今の時点では体制整備は無理である。今後、長期に体制を整える必要がある。

本来は、感染症対策は安全保障事項なのだ。海外では非常事態を想定して様々な対策を長期にわたって進めてきたが、日本は感染症を安全保障事項としてこなかった。それが今回、大きく出た。ワクチン開発でも治療薬開発でも負けている。

ということで、もし年明け、一層のコロナ感染拡大になり医療崩壊になったら、その時は緊急事態再宣言を考える必要が出てくる。不要な外出にも罰則を設ける必要が出てくる。その代わりに、給付も必要になる。この給付金を第3次補正予算では計上していない。

コロナ後のデジタル化やグリーン化、人口減少対策費が補正に計上されて、コロナ抑え込みの費用が計上されていないことに怒りを感じている。

日本感染症学会理事長の舘田一博・東邦大学教授(感染症学)も、「ワクチンが普及しない感染症の拡大を止めるには、人の移動を抑えて、人と人が接触する機会を減らしていくしかない」と強調している。

そして、ワクチンの早期の接種ができるように、承認を早めて、2月中には接種を開始するしかない。なるべく、経済縮小になる緊急事態宣言の期間を短くする必要がある。

緊急事態宣言をいつ発出するか、東京と首都圏に限定して行うかなどの基準値を発表して、急に宣言を発出しないで、皆に心の準備をさせる必要がある。後手ではなく、先手で手を打ってほしものである。

どちらにしても、このコラムで心配した方向に事態は行っている。

やるべき方向が明確化したら、それを実行する力を菅首相は持っているので、それに期待したいが。

さあ、どうなりますか?

image by: 首相官邸

津田慶治この著者の記事一覧

国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。

有料メルマガ好評配信中

  メルマガを購読してみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 国際戦略コラム有料版 』

【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 再び非常事態宣言か。国民の命より二階氏の顔色を気にする菅総理
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け