2020年11月30日付
11月の論壇誌についての文化部記者による記事。渡辺靖「米大統領選を揺るがす『Qアノン』の正体」を紹介。渡辺氏は、「自助の精神が強く競争も激しい社会だが、競争の敗者が勝者を攻撃する手段に使えば、自らの能力不足を認めずにすむからだ。ただ現在は、史上初めて陰謀論が中央政界を侵食し始めた」としていると。
2020年12月5日付
上記11月30日付の記事を書いたのと同じ文化部の記者による論壇についての記事。一部重複するが、陰謀論が多方面に広がっていることを憂えている。渡辺靖氏の仕事を紹介しつつ、背景にある「敗者を生む格差と貧困」を指摘。さらに、「中国『千人計画』デマ」についての石戸諭氏の論考にも言及。
●uttiiの眼
論壇の紹介が「陰謀論」についての警鐘になってしまうのは誠に非生産的で、かつ、悲惨なことだと言わざるを得ない。しかし、この傾向は簡単には消えないだろう。何より、「格差と貧困」が家族と社会を蝕み、新型コロナの蔓延や地球温暖化の影響が深刻化するという希望の見えない状況下では、「陰謀論」は、人々が不安に苛まれながら希求する、一種の秩序観に連なる材料でもあるからだ。誰も、人々が信頼するに足るものを作りだし得ていない、提示できていない…この問題を見つめ直していく必要がありそうだ。
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