止まらぬ中国の暴挙。WHOをも「失望」させた入国拒否と香港弾圧

 

さらに、中国関連で新年を跨いで話題になっているのが、アリババグループの創業者である馬雲(ジャック・マー)氏についてです。去年10月から動静が明らかにされておらず、行方不明説まで浮上しています。

その理由として、「2020年10月に上海での演説で、中国の金融規制当局を「老人クラブ」と批判したことが関係しているのではないか」「彼は上海の会合で、『現在の金融システムは産業化時代の遺物だ』と批判。『私たちは次の世代と若い人々のために、新しいシステムをつくらなければならない。現在のシステムの改革をすべきだ』と主張」、したことが関係しているのではないかとも言われています。

ジャック・マーは中国当局に「消された」のか?中国を逃れた不動産王の予言が話題に

以前のメルマガでもお伝えしましたが、この馬雲氏の発言により、アリババグループ傘下の金融子会社アントは、11月に予定していた上海と香港での上場を直前で中止させられました。

【関連】日本人にも監視の目。キャッシュレス決済で中国に握られる個人情報

当局を少しでも批判する者は、どんな富豪でも許さないという中国政府の怨念を感じます。しかもジャック・マー氏の活動拠点はアメリカでした。

さらに、「中国の規制当局は2020年12月、アリババについて独占禁止法違反の疑いで調査を開始した」ということです。ジャック・マー氏は中国当局に拘束されているとの噂もあります。

一方で中国国内は、電力不足や石炭不足による電力使用制限が通達され、寒い年越しを迎えたという報道もありました。石炭不足は、オーストラリアとの関係悪化が影響しているようです。

真冬の中国で恐怖の大停電、市民によぎる暗黒の記憶

トウ小平の改革開放後の中国社会は、自力更生ができなくなり、「他力本願」しか生きる道がない社会となりました。すべてのエネルギー資源は国外に頼り、食糧でさえ一部は輸入に頼らざるを得ない状態です。それが中国のアキレス腱です。今はコロナの影響で、全国の失業者と流民は3億人に迫る勢いです。

それでも習近平は自身の独裁体制の維持と内ゲバに忙しく、活路を切り開くことができません。そんな状況こそが「戦狼外交」「儒教イデオロギーへの回帰」のベースになっています。

国民が震えながら仕事をしている一方で、どこまでも悪政を貫く姿勢は変わらない中国。コロナ感染の勢いもまだまだ衰える様子がありません。

アメリカ政治もいまだ混乱が続いていますが、中国も決して安定しているわけではありません。むしろ世界的な中国への反発はこれまで以上に高まっています。年初から中国の国内統制強化と外国への情報シャットダウンが世界的な話題となったことから、2021年も激動の年になりそうな予感です。


 

kou20200305-s新型肺炎 感染爆発と中国の真実 
~中国五千年の疫病史が物語るパンデミック

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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年1月6日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

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2020年12月配信分

  • 【来年を迎えるにあたって】(12/30)
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  • 香港の次は「台湾独立」派を取り締まる中国/お得意の「写真捏造」で他国を貶し始めた中国(12/02)

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  • 台湾人が望むトランプ大統領の訪台と国家承認の現実性/反中の意味が込められている台湾のアカデミー賞「金馬奨」(11/25)
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2020年10月配信分

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  • 銅像で相手を貶めるのは中華の文化/ようやく中国の本質を理解したアメリカ(7/29)
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  • 朝日新聞が「中国の宣伝機関」としてアメリカに認定される可能性/ゲームの中で展開される反中闘争(6/24)
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  • 中国のアメリカ暴動への関与疑惑が出はじめた/コロナで中国は旧ソ連と同じ道を辿るか(6/03)

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2020年5月配信分

  • 中国制定の「香港国家安全法」が日本の護憲派を殺す/親中カンボジアの「中国に近づきすぎたツケ」(5/27)
  • 中国の恫喝はもう台湾に通用しない/世界が注目する蔡英文の総統就任スピーチ全文(5/20)
  • 「元慰安婦」から反日利権を暴露された韓国慰安婦支援団体/中国から台湾に逃げてくる動きが加速(5/13)
  • アメリカが暴露した中国の悪質な本性/韓国瑜へのリコール投票に見る「コロナ後の台湾」の変化(5/06)

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2020年4月配信分

  • 世界からの賠償要求5500兆円!中国は破産するか/他国へも情報統制を求める中国の卑劣(4/30)
  • 「アベノマスク」も被害。今度は不良品マスクを世界に拡散する中国/フルーツ天国・台湾は日本人がつくった(4/22)
  • コロナ発生源の中国が今度は黒人に責任転嫁/台湾発「WHO can help?」が世界に問いかけること(4/16)
  • もう国民が国内旅行を楽しむ台湾と、緊急事態宣言の日本(4/08)
  • 台湾の民主化とともに歩んだ志村けんさん/死者数の嘘が暴かれ始めた中国(4/01)

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2020年3月配信分

  • 欧州の新型コロナ感染爆発は中国共産党員が原因だった/国内では隠蔽、海外では恩の押し売りを続ける中国(3/26)
  • 習近平の「救世主化」と天皇利用への警戒/小国発展のバロメーターとなる台湾(3/18)
  • 【台湾】新型コロナ対策で注目される台湾の若きIT大臣が日本に降臨!?(3/11)
  • 新型コロナへの対処法は「中国断ち」をした台湾に学べ/新型肺炎の責任を日本に押し付けはじめた中国(3/05)

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2020年2月配信分

  • 『韓非子』の時代から何も変わっていない中国(2/26)
  • 「中国発パンデミック」はなぜ厄介なのか/蔡英文再選後、ますます進む日台連携(2/19)
  • 新型肺炎のどさくさで反体制派狩りをする習近平の姑息/戦後日本の軍事研究忌避が新型肺炎の感染拡大の一因(2/12)
  • 新型肺炎が世界にとって思わぬプラスとなる可能性/疫病のみならず他国に厄災をばら撒く中国(2/05)

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2020年1月配信分

  • WHOを操る疫病発生地・中国の魂胆(1/29)
  • 「中国発パンデミック」はなぜ厄介なのか/蔡英文再選後、ますます進む日台連携(1/22)
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  • 文化が残らない中国の宿命/中華にはびこる黒道治国と台湾総統選挙を左右する「賭盤」(1/08)
  • 謹賀新年のご挨拶―激動の年の幕開け(1/01)

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