加えて韓国は、アメリカすらも求めていないさまざまな制裁をイランに対して行ってきたということで、イランから恨まれてきました。2013年12月、中央日報の取材に対して、韓国イラン経済人協会のシン・ジョヒョン会長は、「なぜ韓国が米国よりもイランに厳しいのかわかりません」と述べています。
しかし2015年、当時のアメリカのオバマ大統領を中心に、イラン核合意が締結されました。これにより、イランへの経済制裁が解除されることになったことで、イランは韓国の口座から預金を引き出して本国に移そうとしました。これまで屈辱的な扱いを受けてきただけに、一刻も早く韓国から預金を引き上げたいと思ったことでしょう。
しかし、それで慌てたのが韓国側です。前年にはムーディーズが「韓国の銀行資産が危ない」と警告していました。とくにウリィ銀行は業績不振が深刻な海運、造船、建設、製鉄分野への貸出が12%を超えていて、巨額の不良債権を抱える可能性が高まっていたからです。
● 韓国で「限界企業」が増加、ムーディーズが「韓国の銀行資産が危ない」と警告=韓国ネット「国家デフォルトに?」「そんなに生ぬるい状況じゃない」
そこで韓国政府は韓国ウォン口座の維持のための協議をイラン側に呼びかけたのですが、イランからの返答はありませんでした。
● 政府「韓国ウォン口座維持協議を」…イランは返答せず(1)
そこで韓国政府と銀行業界の代表団はイランの中央銀行へ飛び、泣きついてお願いしたのでしょう。当時のニュースでは韓国国内のイラン口座を継続活用することが決まったと報じていました。
しかし2016年、トランプ政権が誕生、アメリカはイラン核合意を破棄し、再びイランに制裁をかけ、同盟国にも同様の制裁措置を要求しました。これをいいことに、韓国はイランへ再びきつい仕打ちをし始めました。
イランは、アメリカの制裁下で行われた韓国によるイランの資金凍結解除を求めており、中央銀行総裁によると、70億ドル(約7,200億円)が韓国で凍結されている上、手数料の支払いが求められているといいます。
加えて、イラン政府の報道官は、アメリカの制裁対象ではない物品に絡む資金についても韓国側が引き渡しを拒否しているとして、「わが国の歴史はこれを忘れないだろう」と語っています。
● イラン、韓国による資産凍結を非難 船の拿捕は無関係と強調
相手を舐めて強気に出た結果、後で泣きつくハメになるというのは、韓国のお家芸のようなものでしょう。