中国に拉致されたら諦めろ?邦人人質、日本政府による救出は上級国民のみ

 

まだあります。日本人が中国で人質になったケースです。

中国政治、軍事史の研究者として知られている北海道大学法学研究科の岩谷將(いわたにのぶ)教授が中国で逮捕されました。

岩谷教授は、日中戦争史などを専門にしており、かつて防衛省防衛研究所で戦史研究センターの教官、外務省大臣官房国際文化協力室の主任研究官を務めたという経歴です。

このケースでは、中国政府系シンクタンクから呼ばれて中国入りして拘束されるというタチの悪さです。

日本政府の働きかけもあったのでしょうが、岩谷氏が罪を認めて、後悔の念も示したことを考慮して、中国は彼を訓戒したうえで保釈を認めたという発表がありました。

ただ、このようなケースはめずらしく、中国政府は2015年春から、中国国内で「日本人スパイ狩り」を始めています。

これまでに10人以上が拘束され、なかには最高で懲役15年の判決を受けている人もいます。

日本政府は、以下のような方針でいる事実をもっと国民に広げるべきですね。

  1. 現在米中が覇権争いしている最中であること
  2. 日本政府は日米豪印クアッド構想からも米国側であることからも、日本と中国は敵性国家同士であること
  3. 岩谷氏のような上級国民?のように官邸主導で助け出したのは稀で例外であること。
  4. 中国政府と合意のもと中国大陸でビジネスしているように見えるが、基本日本政府は中国大陸での日本人を本気で助けだす覚悟はないこと
  5. それでもリスクをとって大きな果実をねらったビジネスをする日本人と、日本企業はそれなりにがんばって欲しい
  6. それでもはやり、米中衝突が始まったら、中国大陸にいる日本人は人質になるであろうこと

要するに、日本政府はまだ腹を決めてない状態だということを国民は知っておくべきなのです。

和田憲治 ON THE BOARD https://twitter.com/media_otb

和田憲治

image by: Alexandros Michailidis / Shutterstock.com

アメリカ通信この著者の記事一覧

国際情勢の中で、日本のとるべき方向性を考えます。情報・戦略の観点から、また、リアリズムの視点から、日本の真の独立のためのヒントとなる情報を発信してゆきます。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信 』

【著者】 アメリカ通信 【発行周期】 週刊、不定期

print
いま読まれてます

  • 中国に拉致されたら諦めろ?邦人人質、日本政府による救出は上級国民のみ
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け