バイデンの皮算用。中国という「敵」は分断の米国を一つにするか?

 

もう1つ、米国内が分断した状態をまとめるためには、強大な敵が必要であり、中国は国内をまとめるためには重要な敵という存在であり、政権内に中国強硬派がいて、中国を強力な敵と言って、米国内の危機感を高めて、国内統一をしたいようである。

イエレン米財務長官は、同盟国をまとめる必要があり、EUなどが実施するデジタル課税を巡る国際ルールの見直しに関し、新ルールへの参加を企業の選択制にするという、米国がこれまで主張してきた「セーフハーバー」提案を取り下げるとG20の各国に表明した。

セーフハーバーは制度の導入を企業が自由に選択できるようにするもので、各国から骨抜きとの批判が上がっていた。米国が提案を取り下げたことで、新ルールを巡り各国が今夏までに合意する可能性が出てきた。これにより、米国IT大企業への規制強化にもなる。

これが同盟重視のポイントになっている。また、米IT企業の相手国のニュース等の使用料についても、認めることになりそうである。

というように、同盟国との連帯を重視した政策も取ることになる。

日本は、米国の供給網の一環として取り込まれる必要があり、かつ豪州と日本の同盟関係を強化して、豪州からの資源・食料やエネルギー供給を確かなものにする必要もある。日米英豪の安全保障と経済活動の一体化を実現して、中国との経済分離を進めるしかない。

このためにも、日本企業の脱中国を推進しないといけないことになる。中国の需要分を中国で作り、西側諸国への輸出分は、日本や米国や西側に近い東南アジアで作る方向に行くしかない。

さあ、どうなりますか?

image by: Stratos Brilakis / Shutterstock.com

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