一番は、被害が比較的少なく、地上に近いところの親族、知人宅に避難することです。ホテル避難も考えられます。実際、熊本等の被災地では、建物が無事でも、余震がある中、マンションの高層階に留まることができずに、避難所に避難したり、何日も車中泊したマンション住民がいました。
高層階から階段で何とか降りてきたものの、二度と階段で自宅に戻れなくなった高齢者の方もいます。マンションは在宅避難が基本といいますが、そうはできない状況が発生するのです。コロナ禍の今は、避難所の収容人数も限られます。小さなお子さんや高齢の方がいる場合は、避難場所について平時から親族や友人とも話し合っておいてほしいです。
そこへの移動手段の検討も必要になります。普段から、もし災害でどちらかが自宅で生活できなくなったら、お互いの家に避難し合おうという話をしていれば、避難もしやすくなります。大震災で、自宅で生活ができなくなったら、避難する場所を考えておくことも自助のひとつだと思います。
そして、家族全員で避難する場合は…通電火災を防ぐため電気のブレーカーを切り、通水時の漏水を防ぐため水道の元栓を締め、避難先と連絡方法(携帯電話、メールアドレス等)を管理組合に届け出て、両隣に声を掛けてください。これは、大事なことですので、絶対に忘れないでくださいね。
特に、高層階に暮らす小さなお子さんや高齢の方がいる家庭では、3・11から10年の節目に、一度シミュレーションをしていただきたいと思います。
image by: Shutterstock.com
ページ: 1 2