激怒のバッハ会長「東京五輪に中国製ワクチン」で尽きた菅首相の命運

tsuda20210315
 

新型コロナワクチンの争奪戦に敗れた菅首相は、総理の椅子から降りることを余儀なくされるようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、東京五輪の選手団に自国ワクチンの提供を申し出た中国と、その動きに待ったをかけた形のアメリカ各々の思惑を解説。さらに、米国からワクチンの供給を受けることになる菅首相の命運と、その後継となるであろう人物の名を挙げています。

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どうしても東京五輪を開催するために。日本にイラ立ち、IOCが五輪開催に向け準備

IOCと日本、そして中国が東京五輪開催に積極的になっている。世界的な対立がそれに同期している。その状況を検討したい。

本当に五輪やる気か?世界が疑い始めた菅首相のリーダシップ欠如」で菅首相が五輪の準備をしないことで、五輪は開催できないのではないかと述べた。

しかし、IOCのバッハ会長は「絶対に東京五輪を開催する」と宣言したので、その言葉に責任を持って、日本の準備不足をイラ立ちながら、IOCが主導で、日本の準備不足を解消する方向で根回しを始めている。

菅首相のリーダーシップが極端になく、言葉に責任感のないことを実感したバッハ会長は、動き始めたようだ。

東京五輪を開催するのに必要なワクチン不足を解消するために、東京五輪を開催しない場合、世界からボイコットされかねない中国に東京に来る選手へのワクチンの提供を交渉して確保した。

中国も東京五輪開催を熱望しているので、了解したようである。このため、選手が北京か東京で接種できるようになった。

しかし、中国製ワクチンを日本は認可しないので、日本人には接種しないようである。海外選手のために準備することになる。この接種のために、中国から多数の医師などがIOCのVIP待遇で来日することになった。

そして、ワクチンの見返りとして、IOCのバッハ会長は、北京五輪ボイコットを抑えようとしている。

もう1つ、日米豪印の「クワッド」で中国に対抗して、ワクチンを世界に供給しようという構想の裏をかけるので、中国にとっては、非常に好都合になる。

途上国にインド製(アストラゼネカ、J&J)ワクチンを日米豪印で共同で供給しているのに、その本家本元である日本では、中国製ワクチンを使うことになるので、何やっているのわからなくなる。お笑い草である。

このため、そのようなことをさせないと、米国が手を打ってきた。中国のワクチンを東京で使わさせないために、今までは米国は自国優先でワクチンを調達してきたが、5月までに米国民全員分のワクチンを確保して、その後、優先的に日本に供給することになるようだ。

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