問屋さんが出来ること
次の「出会いを体験する」ことも、「まちのスポーツショップ」に出来ることです。こだわりのある商品には、店主の想いやストーリーがあります。お客様にその商品を手に取ってもらい、その想いやストーリーを感じてもらうことです。もちろん、商品には熱く語られた「言葉」が添えられています。これが「出会いを体験する」ことです。
3つ目の「動画で地元住民とつなげる」ことも、たいして難しくはありません。書店の場合は「地元の作家」でした。スポーツショップでは、「地元の有力スポーツ選手」と住民とをつなげることが出来ます。選手の動画を作って配信するのは簡単です。
一度、この3つのポイントで、出来ることを考えてみましょう。そうすれば、新しい「まちのスポーツショップ」になるかもしれません。
そして、日経MJには、さらに面白いことが書いてあります。大手書籍取次店のトーハンと、電子書籍取次大手のメディアドゥが資本提携をして中小書店での電子書籍販売を進めるそうです。言ってみれば、問屋さんが小売店のために新しい流通形態を作り、新しい売り方を提供することになります。
このことは、スポーツ用品の流通にも参考になるはずです。例えば、何社かの問屋さんが手を組んで、「まちのスポーツショップ」のEC販売を手伝うことは出来ないでしょうか。取り扱う商品は、メジャーブランドではなく、ニッチなブランドです。ECサイトだけでなく、リアル店舗でも商品を販売してQRコードで情報が見られるようにしてはどうでしょう。
また、問屋さんは、サイト運営だけでなく、EC販売のノウハウやアクセス解析の方法も伝えます。スポーツショップの苦手な部分をカバーしてあげるのです。そして、そのことを通じて「地元」「体験」「つながり」という3つの要素を強め、商売につなげるよう支援してはいかがでしょう。
こんなところにも、問屋さんの存在意義がある気がします。そうすれば、「まちのスポーツショップ」の売上も前年を上回ることができるのではないでしょうか。
■今日のツボ■
・まちの書店の売上が伸びているのを、スポーツショップも参考に
・伸びている書店は「地元」「体験」「つながり」を大切にしている
・問屋さんは新しい流通形態を提案するときである
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