編集後記
本件はレアケースと言える事案です。
私の本業は探偵ですから、普通の職業よりかは数多くの離婚を見てきています。そのほぼ全ての割合で、子は母の方で暮らします。その中で、一人親世帯で様々な苦労があっても、親子で乗り切り、子どもが成長する様子もよく報告をもらいます。
ですから母子のつながりの深さやそれぞれの愛情の深さを目の当たりにしていますので、Aさんのケースのように、「嫌いじゃないけど、一緒に住むのは無理」という言葉は、すごく重たい言葉だと思いました。
中には夫による暴力(DV)などでPTSDとなっている子どももいます。
ですから、私は共同親権や面会交渉といったところの制度化については慎重に考える必要があると思っています。それは、DV被害を調査し、その実態を知り、この被害が深刻であることを知っていると同時に、単に妻側のコントロールで子どもと会うこともできず苦悩する父親の姿も見ているからです。
ですから、最後の砦とも言える司法が、どうしてAさんの気持ちや言葉を丁寧に聞き取らないのだろうと思いました。もしも、きちんと聞き取っていれば、Aさんが母親のところから家出をしてきて、父親に保護を求めるという事態は発生していません。
子どもの権利条約の考えの中に、「子どものアドボカシー(直訳すると代弁や擁護)」という考え方や行動指標があります。つまり、子どもの声をよく聴くということです。私たち大人社会は、これができているでしょうか。
Aさんは、もしもまた母親のところに行かされても、必ず家出をして父親のところに戻ると言います。Aさんが穏やかに暮らせるようになることを願います。
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