無視された少女の心。母との同居を拒む娘に裁判所が出した無情な勧告

 

逃げちゃおうと思った

Aさん 「行くのが嫌、逃げちゃおうと思った」

Aさんは自分の気持ちを母親に伝えている。どこで暮らせというのは裁判所の人が勝手決めた事で、Aさんの気持ちは無視された。

だから、Aさんは自ら行動を起こすことにしたのだ。

同時に和解で取り決められてことは、母親によって一方的に反故にされていた。

母親の家で暮らし始めてわずか2日後、Aさんは家出をした。向かった先は父親の住むマンションであった。

職場でこの連絡を受けた父親は驚いたが、すぐに仕事を切り上げ、同時に警察に事情を説明して自宅へ来てもらうことにしたのだ。

警察は現場検証を済ませ、Aさんから状況を聞き取り、事件性はないと判断してその場を去ったそうだ。しかし、家出に気が付いた母親はAさんら当事者に連絡することをせずに、警察に未成年者略取、つまり誘拐に違いないのだと主張したそうだ。

父親 「その日の晩、必ず何かしてくるであろうという予感もあったし、娘の精神的負担が大きいと思えたので、外に出て遊ばせましたが、警察からバンバン電話がかかってきたりしました。娘は過去の強制執行から、若干トラウマになっているので、電話で事情を警察に確認して事件性はないということは一致していたので、再度の事情聴取は拒絶して、その日はホテルに泊まりました」

この話を聞いたのはそれから6日経っているが、以降の問い合わせは来ていないということであった。あるとすれば、母親側の弁護士が辞任したということだけだそうだ。

しかし、和解の条件としては、監護権(簡単に言えば一緒に暮らすということ)は母親にある状態は変わりがない。和解を基準に考えれば、これを反故状態にしているのは、父親側ということになる。いずれ、何らかの法的手続きで、再び強制執行という事態も予想できる。

もしも、また執行という形など様々な手続きでAさんが母親側に行くようにされた場合、どうしますか?と質問してみた。

Aさん 「これが結果です。どんな事をしても、私はお父さんのところに帰ります」

― 裁判所の人とかお母さんや弁護士さんに言いたいことはある?

Aさん 「勘違いしないでください。勝手に決めないでください」

先日、自民党は「チルドレンファースト」の実現のために「こども庁」の創設を実現すると発表した。分断された省庁間の統一や子ども関係予算は今のところ少ないものだが、ここに8兆円の予算規模にして対応するという。

2021年3月16日「Children Firstの子ども行政のあり方勉強会事務局作成」の書面にはこうある。

子どもを「権利の主体」と位置づけ、縦割り行政・多重行政をなくし、制度分断による子どもの育ちの差異をなくす。

子どもを権利の主体とする場合、Aさんの気持ちやその行動はどう評価されるのだろうか。

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