自転車の一世帯当たりの普及率、全国1位は埼玉県(1.3人に1台)、最下位は長崎県。埼玉県は平地率日本一だから自転車を使う機会が多い。わたしが乗り回すドッペルゲンガーは、わたしの足だ。健康の素だ。長崎は坂だらけで、自転車が交通手段とならない。代わりに軽自動車やバイクの普及率が高い。
大阪人が「いらち(せっかち)と呼ばれるのはなぜか。濱村さんも「いらち」なのか。長いこと一緒にデジクリを編集発行してきたが、そんなそぶりをみせたことはない(ような気がする)。むしろ、わたしの方がいらちであろう。
大阪府には信号が青に変わるまでの待ち時間が、秒単位で示される信号機がある(他の都道県にはないのか?)。赤信号でも一瞬の隙を窺って道路を渡る歩行者が後を絶たなかったから、待ち時間をカウントダウンで表示するようにした。
しかし、それでも5秒前くらいにほとんどの人は渡り始めるという。
国際交通安全学会が行った、見切り発車に関する調査によると、大阪の運転手は信号待ちで、青に変わる前(平均4.92秒)に車を発車させる。
2位の東京でも1.84秒であり、大阪の運転手は正面の信号が青になるのを待つのではなく、横の信号機が赤になるのを見て発車するのだ。
ドコモ・ヘルスケアが都道府県の歩行者の早歩き率(歩行総数に対する早歩きの割合)を調べたら、第1位は神奈川の29.2%、次いで東京、埼玉、千葉と上位は首都圏の都県が占め、大阪は第5位の26.3%だった。
これが意味するのは、大阪人のせっかちとは「急ぐこと」ではなく「待つことが嫌い」ということだった。
外食店でどれくらいの時間まで並んで待てるかという調査でも、東京人の26.3分、名古屋人の26.8分に対して、大阪人21.7分、男性に限れば19.1分しか待てないというデータがある。
商人の町・大阪ではモタモタしてたら負け、「時は金なり」であり、何もせずぼーっと待つだけの時間は無駄な時間なのだ。
そんな大阪人だからこそ、インスタントラーメンやレトルト食品など調理時間を短縮する商品を次々と開発してきたのだ。回転寿司、歩く歩道、電子レンジなども、いらちな大阪人だからこその発想で生まれたのだ。
この本は36件の図書・資料、100件に近いWebサイトを渉猟して作っている。現地に赴かなくても、この程度の雑学本はできてしまう。それにして、出来の良い本である。知ったかぶりをしたい人、読むべし。表紙カバーのヘタヘタイラストとヘタヘタ書き文字を舐めていて、すみませんでした。
編集長 柴田忠男
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