アメリカに踏み絵を迫られただけの首脳会談
中国との対峙という点で、比較的明確に日米共同戦線が張られたのは、経済部門での様々なネタです。
リストアップすると、「半導体の安定的な供給を保証するための取り組み(台湾のTSMCの工場を日米に誘致)」や、「DX (Digitalization)での協力強化」、「宇宙開発部門(衛星とエネルギー)での協力強化」、そして、中国が先行している「“ワクチン外交”での巻き返しのための協力」などが挙げられます。
具体的な内容については、これから詰めていくそうですが、中国にグローバルマーケットを席巻される事態は避けたいとの思惑が、協力の強化とスピードアップにつながったと評価できるかと思います。
ここまで見てみると、今回の首脳会談の結果・成果については、様々な評価がありますが、可もなく不可もなしと言えるのではないでしょうか。
ただ気になるのは、【国内でコロナ感染が再拡大し、リーダーとしての采配が必要となる時期に、どうして急を要する状況ではないにもかかわらず、あえて東京を留守にしてまでワシントンに赴いたのか】という点と、【これまで米中間でどっちにも寄らない“両にらみ”外交を進めてきた日本政府に対して、アメリカを取るか、中国を取るかという“踏み絵”を迫られただけ】だったのではないかという点です。
私には、その答えは分かりませんが、皆さんはどうお考えになりますか?
ぜひご意見をお聞かせください。
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image by: 首相官邸