なぜ、日本の親は幼児期の自慰行為を「激しく叱って」しまうのか

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Tさんも書かれていましたが「それを見た親はびっくりして戸惑った」のでしょうね。そして「強く怒り、その都度、やめるよう」に厳しく叱られた、とありました。

怒る事、叱ることがプラスにならない事は、もう何度も話してはいますが、特に今回のように、まだ何も知らない子供に。それも不純な思いも持ってもおらず、ただきつく叱られた子供は「何が何だか、何がいけないのか分からない」という感覚になってしまい、自分を卑下する気持ちを抱き、それがずっと尾を引いてしまった、という事に、とても切ない気持ちにさせられたんですね。

「叱る」や「怒る」は、私たちにとって「そういう事はしてはいけないよ」と教えたい意味もあるのですが、「教える」の前に、「叱る・怒る」をしてしまったとても残念な例でした。

そしてこのご報告を機に、幼少期の頃、自慰行為を親に叱られた子がどのような思いを抱いていたか?をちょっと調べてみましたが、ほとんどの方が「安心感」や「落ち着くから」。もしくは「寂しさを忘れられる」という思いでしたことでした。なのにそれを、とてつもない怒られ方をして、Tさんのように「何でこんなに叱られるの?」という強烈な不安と大きな罪悪感を心に刻みこまれてしまったそうです。その時の恐ろしさが、ずっとトラウマのように頭にこびりついて離れず、強い羞恥心を抱き、消えてしまいたい…と、幼少期からずっと抱え続けていた人も少なくないようです。

Tさんの場合は、「自分自身の問題の解決にも繋がれば」との思いで、学生の頃に、大人ではなく同じ目線の10代・20代の仲間で話し合いながら性を学ぶという事業に参加された、との事でした。そこでご本人も勉強をすることで、悪いことじゃなかったんだ、自然な事なんだ、と知って、ご自分への嫌悪感もなくなっていったようです。でも、もし幼少期にお母さんが頭ごなしに怒らないで、丁寧に教えてくれたら、こんなに長い間、自分を責めずに済んだろうと思うのです。

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