ヤマダ電機創業者・山田昇氏、幸運の女神に愛された男の軌跡と奇跡

 

1.松下系列店として電器店開業

山田さんの社会人としてスタートは、実業家としてではなくてビクターにサラリーマンとして入社したことが始まりでした。後、脱サラして電気店を始めるのですが、さてどこの系列に入るを決めたのは、結婚したばかりでおなかに子供がいて食っていかなきゃいけないということで、その要件に合う「松下系列」を選んだのでした。

2.チェーン展開

山田さんの強みは、ビクターに勤めたことで技術に関心を持ち、また品質管理をかじり、マネジメントについても経験があったことでした。「お客さんを第一」に徹したことで顧客が増え、一人では対応しきれなくて人を雇用して育てていき、当時はメーカーがチェーン店化を支援していたのでこれに乗って多店舗化したのでした。

3.チラシ広告

チラシ広告を行うについては、おもしろい経緯があります。「人材教育」も松下に期待したところ「それは自分でやることだ」と言われ、それでは自分でと店舗数を縮小したところ商品が本店に溢れかえったので、それを売り捌くためにチラシ広告を打ったのです。するとそれが大ヒットして、新しい販売方式となったのでした。

4.複数メーカー商品取り扱い

チラシ広告での販売は思わぬ大成功をもたらしたのですが、この繁盛は思わぬ災厄も呼び込むことにもなったのでした。周辺のメーカー系列店が文句を言い始め、商品供給が止まったのでした。しょうがないということで、他のメーカーに協力を求め商品を入れることになったのですが、これが複数メーカー選択の道を開いたのでした。

5.全国へのチェーン展開

それまではメーカーの系列店政策が効果的に機能し、小売店もそれなりの恩恵を受けていたので、枠組みを超えての試みはなかったのでした。しかしこの枠組みを超えた時、また大店法の改正によって「大規模な量販店」の設置が可能ともなったとき、ベンチャーキャピタルより積極的に投資を受けて北海道から沖縄まで一気に出店を加速させました。

というように、Edge:果敢に決断し Execute:実行し続けることで、売上高2兆円の日本一の家電量販店に成長したのでした。

マキャベリはこんな問題発言をしています。

慎重であるよりは、果敢であるほうがよいと断言する。運命の神は女神なのだから、主導権を得ようと思うなら、乱暴に扱うことが必要なのだ。

さらに問題発言を続けますが

運命は、冷たいほど冷静にくる者よりも、征服したいという欲望を露わにしてくる者のほうに、なびくのである。要するに、運命は女に似て若者の友である。若者は、思慮に富んでいないがために後々のことを考えず、より激しく、より大胆に、女を支配するからである。

と、どうも理性的だけの人では不利なようです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 浅井良一 【発行周期】 ほぼ週刊

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