NHK放送文化研究所が5年毎に実施している「国民生活時間調査」の2020年版が公表され、20代以下の若い世代のメディア離れ、中でもテレビ離れが確実に進んでいることが浮き彫りになりました。コロナ禍で家にいる時間が増え「久しぶりにテレビを見たらつまらなくて驚いた」などの声がSNS上にも溢れています。『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』にもテレビの行末を案じるメールが届きました。人気コンサルの永江一石さんは、「テレビは今後間違いなく衰退していく」と、理由を3つ上げ見解を述べています。
最新の流行からビジネスのヒントまで何でも回答する人気コンサル・永江一石さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
テレビがつまらなくなったワケ
Question
ここ10年くらい随分テレビが面白くなくなってきました。先日どこかの記事でも「20代以下の半数は全くテレビを見ない」とありました。※テレビと言うのは地上波ということだと認識しています。
私もコロナ中に久々にテレビを見ましたが、ここ1、2年でさらに質が低下したように思います。テレビ側の事情としては、スポンサーが減り番組の制作予算も相当少ないため、単価が安い芸人を雇わざるをえず、タイアップ系の広告手動の番組であったりして制作側の事情も分からなくはないと思っております。
これからさらに高齢者も減り、若者も見なくなり、テレビの行く末はどうなるのでしょうか。日本は、他国に比べてチャンネル数も少なく地上波の枠が独占できるイビツな形ですので、番組が増えるようには思えません。
テレビの業界の人たちはウェブリテラシーが高い人も相当限られており、これ以上質が低下したらスポンサーも付かず、媒体の価値は相当下がるのではと思います。ネットとのタイアップといったものも大した数字が取れないので、この先どのようなことが起こっていくのか永江さんの意見を聞かせてもらえますでしょうか。
永江さんからの回答
おっしゃる通り、テレビは今後間違いなく衰退していくと思います。理由は大きく分けて3点あるのですが、1つ目は主な視聴者層の高齢化です。以前ブログに詳しく書きましたが、テレビの視聴時間が最も長いのは60代以上の高齢者で、それが2025年には一斉に後期高齢者となりガクベリします。
さらに以下のニュースにもある通り、今の10~20代の約半数はテレビを観ていないんです。
● 10~20代の約半数、ほぼテレビ見ず「衝撃的データ」:朝日新聞デジタル
2つ目は業績悪化にも関わらず人件費を下げられないから。上記のブログにも書いた通り、テレビ局はテレビだけで食ってるわけではなく不動産やイベントの売上が大きいのですが、今はコロナ禍でボロボロです。にも関わらず社員の給料は高いままなので人件費の負担が重くのしかかっているはず。
3つ目は2にも通じるのですが、予算が少ないため番組内容の質を上げられないから。テレビ局は利益率が低いため制作費を極限まで切り詰めて利益を出そうとする構造なのですが、制作費を削減すればMCや出演者がダラダラしゃべるだけの番組になりますよね。Amazonプライムで『ゲーム・オブ・スローンズ』などの海外ドラマを観るとあまりのレベルの差に愕然とします。
日本でまだ可能性があるのはアニメくらいで、その他のテレビ番組やドラマなどは衰退が避けられないと思います。
最新の流行からビジネスのヒントまで何でも回答する人気コンサル・永江一石さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ
image by: Shutterstock.com