「台湾危機」勃発なら中国の攻撃で必ず巻き込まれる日本の都市名

 

対中包囲網への韓国の参加が愚策でしかない訳

自衛隊による中国への攻撃は、行き過ぎとして、実質的にアメリカにとことん寄り添うという姿勢を示すだけで、私は“参戦”を意味し、それは日米同盟・日米安保条約の維持には十分であると考えています。それも、何ら声明などは発すことなく。ここでアメリカ支持の旨、声明を発してしまうと、中国の格好の的になりかねません。

その現状を汲んででしょうか。日本の外交・安全保障上のジレンマを軽減するために重視されるのが、QUAD(日米豪印)体制でしょう。

目的は対中包囲網の強化ですが、QUADの一員として中国に対峙することで、日本への直接的な攻撃と非難は避けることが出来るでしょうし、QUAD内での役割分担をすることで、直接的な軍事介入に至らないポイントでぎりぎりとどまることが出来るかもしれません。

特に、最近、このQUADにカナダが参加を検討し、そこにインド太平洋戦略をレベルアップする英・独・仏も輪に加わる方向で動いていますので、インド太平洋地域での対中包囲網の結束は高まり、それが、懸念される中国による台湾攻撃という、全面対立のトリガーを未然に防ぐ抑止力となるのではないかと考えます。

もし、お読みいただいている皆さんが、ここまでのシナリオに賛成いただいているとした場合に出てくる意見に、「では、対中包囲網の強化のために韓国をQUADに加えてはどうか」というものが出るかもしれません。

ぱっと見はそう思えるのですが、結論から申し上げますと、対中包囲網への韓国の参加は、包囲網の結束を破壊しかねない愚策だと私は考えます。

なぜか?

韓国の外交姿勢を見れば一目瞭然ですが、すでに韓国は日米から愛想をつかされた時点で中国主導のRed Teamの構成員になっており、表現は不適切かと思いますが、中国の支配下に置かれています。

ゆえに、韓国政府はもう中国からの独立は一切企図していないと思われます。

そうであれば、もし韓国がQUAD(対中包囲網)に参加した場合、対中牽制策に対してはことごとくNOを突き付け、対中行動を無力化してしまうことになります。

つまり包囲網は脆くなり、中国による台湾攻撃の抑止力が失われ、結果、台湾を舞台に二大陣営がぶつかることになってしまいます。

米韓首脳会談後、韓国政府が勝ち誇ったかのように成果をアピールしていましたが、バイデン政権はすでに韓国はアメリカの側にいないことを重々承知しているようです。

先日も触れましたが、米韓首脳会談はバイデン政権による文政権への釘差しと最後通牒と思われ、トランプ政権で外交方針化した韓国の切り捨てがいよいよ本格化する最終段階にあると思われます。

日本政府および同盟国としては、このような“現実”を踏まえたうえで、中国への対処を考える必要があります。

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