「台湾危機」勃発なら中国の攻撃で必ず巻き込まれる日本の都市名

 

自動的に台湾危機に巻き込まれる日本

日本の場合、アメリカ政府ほどの安全保障上の覇権問題はテーブルにないかと考えますが、そこを除けば、アメリカとほぼ同じようなスタンスを取ることになると考えられます。

中国(北京)への“配慮”から、台湾との国交回復はないと考えますし、日本企業の中国市場への進出度合いを見てわかるように、中国との関係を断絶するような手段は選ぶことが出来ないでしょう。

ならば、これまで通り、アメリカと中国の間で、どっちつかずのデリケートなバランスを保っていればいいじゃないか、と思われそうですが、米中間のチキンレースともいえる緊張が高まる今、そう遠くないタイミングでどちらかを選ぶ必要に迫られるでしょう。

それは、ペンタゴンおよび太平洋艦隊司令官の見解として、「すでに中国の軍事力はアメリカに匹敵するレベルのものもある。そして今後、遅くとも6年以内には、中国と戦火を交えることになる可能性が高い」との見解が示されたことで、台湾海峡を舞台にした米中開戦が現実味を帯びてくるという“現実”です。

もし、習近平国家主席の中国(北京)が台湾に武力侵攻するようなことになれば、確実にアメリカは、有言実行という姿勢を貫くために、武力介入します。

その背景には、シリアのアサド政権が人民に化学兵器を用いたという疑惑が出た際、当時米大統領だったオバマ氏が、武力行使をほのめかすレッドラインを明言していたにもかかわらず、軍事介入に踏み切らなかったことへの批判があり、バイデン政権としては、その二の舞は避けなくてはならないという現実があります。

もしアメリカが武力介入する場合、日米同盟および日米安保条約に基づき、日本は様々なチャンネルで米軍のオペレーションを助けることになります。台湾海峡へアメリカ軍が介入する際には、主力は在日米軍基地から出撃することになり、それ故に、在日米軍基地が中国からの報復対象になる可能性が高くなります。

そうなると、自国領土への攻撃ということになりますから、自衛権の発動要件を満たし、自動的に日本も参戦するということを意味します。その形式が、自衛隊による報復攻撃というハードなものから、情報収集と共有というソフトなものまで広く考えられますが、どのような形式であったても、日本は自動的に米中間で争われている台湾危機に巻き込まれることになります。

しかし、これまでの自衛隊や自衛権をめぐる論争を見て、そんなにシンプルに事が進むでしょうか?

もし、台湾をめぐって米中が交戦状態になった際、日本が(これまでのように)「巻き込まれないようにしよう」という姿勢を見せたら、その時点で日米安全保障条約も日米同盟も終焉を迎える可能性が高くなります。

ご存じの通り、日米同盟や日米安保条約は、日本外交の基軸と位置付けられていますから、そのような事態になると、外交的な軸を失うことになります。

ですから、外交方針的には巻き込まれる以外のチョイスはないような気がするのですが、どうでしょうか?

巻き込まれざるを得ないとして、日本はどのような巻き込まれ方があるでしょうか?

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