増えている理由は、二酸化炭素を放出するタイプの消火設備は水を使った消火と比べて、電気設備や機械への影響が小さいためです。今は、比較的安全な窒素を放出する設備を導入する施設も増えていますが、二酸化炭素の設備の方が設置のコストが低いため、今も多くの施設で設置が進んでいるといいます。二酸化炭素を放出するタイプの消火設備設置の建物は、都内だけでおよそ3,500に上るといいます。
二酸化炭素を放出する消火設備の事故は各地で繰り返されています。東京消防庁によると、同じような事故やトラブルは、今回の事故以外にも、都内では2016年以降の5年間であわせて6件起きていて、2人が死亡、3人がけがをしたということです。
今回の事故を受けて、総務省消防庁は全国の自治体に対し、二酸化炭素を放出する消火設備の近くで工事を行う場合は、消火設備の点検の資格を持つ人などが立ち会うことや誤って消火剤が放出されないよう元栓を閉めてから工事を始めることなどを求めました。
…というのが、事故とその後の大枠です。
【参考】地下駐車場4人死亡 作業過程で誤作動か 判明した現場の状況は
私は専門家ではないので、報道されている情報の範囲しかわかりませんが、この事故後、自分たちのマンションの駐車場の消火方式を確認した管理組合も多いと思います。
前述の、地下駐車場に行くのが怖くなってしまった方は、ディベロッパーに、消火方式の変更を求められないか…と思っているようです。それは、さすがに難しいだろうと思いますが、これから、何らかの規制が検討されるのではないかと思います。
でも、誤作動というのは、工事等人為的なことがきっかけでなくても、自然現象等の影響で起こることも考えられ、完全にゼロにはできないのではないか…と思うと、誤作動がすぐ死亡事故につながるような設備が、広い意味での「住宅」の中に使われていることに、私も怖さを感じてた一人なので、相談者の気持ちは理解できました。地下駐車場も「住宅」の一部なのですから…。
「住宅」の安心・安全という価値について、改めて考えさせられました。
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