五輪強行で国民を危険に晒す菅首相がうわ言のように繰り返す「安心安全」

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先日掲載の「ウソ吐きG7で東京五輪開会式への参加を促す、菅首相の『恥晒し』」等の記事で、この時期の五輪開催に異を唱え続けてきたジャーナリストの高野孟さん。しかし政府は五輪強行の姿勢を崩すことなく、もはや「中止論」など存在しなかったかのように、開会式の観客数の「結論ありきの議論」を展開するに至っています。このような動きを高野さんはどう評価するのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で高野さんは、かつて米国有力紙が掲載した「五輪は一大感染イベントに成り果てる」という見立てを避けることは困難としてその理由を列挙するとともに、菅首相に対しては、「五輪強行で国民と全世界を大惨事に巻き込むことは止めて貰いたい」との苦言を呈しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年6月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

「ワクチン万能」論を少しだけ修正した菅義偉首相――それでも「五輪強行開催」に突き進む無謀

6月17日の菅義偉首相の緊急事態宣言解除についての記者会見で、会場に居合わせた記者やテレビで観ていた視聴者のほとんどが恐らく気付かなかったと思うが、菅の冗長で無意味な発言の中で唯一新鮮だったのは、テレビ東京記者に対する次の答えだった。

▼今回のワクチンについては発症予防や重症化予防の効果が期待されており、正に感染対策の切り札だと言っても言い過ぎではないと思います。

▼一方で、ワクチンの感染予防効果については現時点で明らかになっていないものの、前向きな評価や調査研究があるというふうに承知しています。

これ、前半と後半にズレがあり、そこに着目すると前半にも今までとは違う表現があることにお気づきでしょうか。

菅が昨秋以来、一貫して「とにもかくにもワクチン」「それこそが決め手」と繰り返し、「ワクチン万能」論とも言うべきそれへの過剰な期待を露わにしてきたことは言うまでもない。しかしその割には、例えばイスラエルのネタニヤフ前首相が自らファイザー社トップと交渉し巧みに自国への優先供給の確約を取り付けたのと比べると、余りにも愚鈍で、官邸官僚や厚労省に任せていたのではどうにもならないことに気付いて、今年になってから急遽、河野太郎を担当大臣に指名して「何とかしろ」と発破をかけたというドタバタぶりである。

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