ウソ吐きG7で東京五輪開会式への参加を促す、菅首相の「恥晒し」

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2年ぶりの対面形式で行われ、3日間の日程を終え13日に閉幕したG7コーンウォールサミット。首脳宣言に初めて台湾情勢が盛り込まれるなど、中国への対抗姿勢を鮮明なものとした今回のサミットですが、このような路線の先に、現在世界が直面している問題解決の光は見出だせるのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、G7を「根拠不明の単なる任意団体」とし、その宣言を「戯言のようなもの」と酷評。そもそも彼らが振りかざす「民主主義国vs専制主義国」という世界認識の枠組みなどは、人類に差し迫っている問題の解決には何の役にも立たないとして、そう判断する理由を詳述しています。

【関連】中国と“全面衝突”は不可避か。G7首脳宣言に「台湾明記」の大バクチ

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年6月14日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

バイデン大統領「中国恐怖症」の結末――これでは前々から燻っていた「G7無用論」が再燃する?

バイデン米大統領が描き上げようとしている、民主主義国vs専制主義国という2大陣営の“最終決戦”が迫っているかのような世界認識の枠組みは、かつての冷戦時代の自由陣営vs共産陣営の図式の焼き直しにすぎず、こんなものをいくら振りかざしても、地球と世界人類にとって差し迫っている問題の解決には、何の役にも立たない。

気候変動に対処するには?

例えば気候変動。世界のCO2排出量ランキングの1~10位を見ると(2019年)、

順位 国名     単位=100万トン

 

1.  中国      9,826
2.  米国      4,965
3.  インド     2,480
4.  ロシア     1,533
5.  日本      1,123
6.  ドイツ      684
7.  イラン      671
8.  韓国       639
9.  インドネシア   632
10.  サウジアラビア  580

で、確かに中国は一番の問題国ではあるけれども、米国も2位で自慢できたものではなく、人様のことをどうこう言える立場ではない。10カ国のうち4カ国は米国の言う専制主義国であるが、それとこれとは関係がなく、民主も専制も一緒に力を合わせて進むほかない。

これを人口1人あたりのCO2排出量(2020年)で見ると、また景色が変わって、

順位 国名         単位=トン

 

1.  カタール        40.3
2.  トリニダート・ドバゴ  38.2
3.  クウェート       31.3

10.  米国          17.6

12.  オーストラリア     16.9

18.  ロシア         12.2

21.  韓国          11.5

31.  日本          9.2

57.  中国          6.2

などとなり、1人あたりの責任から言うと主要国の中では米国が突出的に大きいことになる。いずれにせよ、繰り返すが、民主とか専制とかとは無関係の話である。

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