都議選ボロ負け自民、衆院選の公約に「また10万円給付」の税金泥棒

km20210707
 

先日掲載の「都議選『小池劇場』にダマされるな。日本の政治制度に“5つの問題点”」でもお伝えしたとおり、自民党の敗北に終わった東京都議会議員選挙。自公有利との予測もあった中、なぜ自民の議席は思った以上に伸びなかったのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、その原因として「自民党候補の乱立」を挙げるとともに、野党の選挙協力の重要性を指摘。さらに「2回目の10万円給付」を衆院選の公約として検討することを表明した、自民党の国民をバカにするかのような姿勢を強く批判しています。

きっこさんのメルマガご登録・詳細はコチラ

 

【関連】今なら野党も勝てる。菅内閣「自民全敗」で見えた政権交代の目

自民党、都議選でも安定の敗北

東京都議選は127の議席を奪い合うイス取りゲームですが、7月4日(日)投開票の今回の選挙では、これまで第1党だった都民ファーストの会が46から31へと15議席も減らし、第2党だった自民党が25から33へと8議席を増やし、ついに自民党が念願だった第1党へと返り咲きました。それなのに、菅義偉は「厳しい結果になった」と顔をしかめ、各メディアは「事実上の敗北」と報じました。それは、空気の読めない自民党が、もっともっと上の「50議席」だの「自公で過半数」だのという身のほど知らずの目標を掲げていたからです。

そもそも自民党は、前々回までは59、前回までは57と、常に60弱の議席数をキープし続けており、公明党の22~23と合わせれば80議席前後、127議席の過半数どころか、議会の約3分の2を独占していたのです。そのため、国政と同じく、都政でもやりたい放題でした。しかし、前回2017年の都議選で、緑のタヌキこと小池百合子率いる都民ファーストの会が大旋風を巻き起こし、6から55へと49議席も増やして大勝利!一方の自民党は57から23へと24議席も減らして大転落!

こうした流れからの今回の都議選だったため、自民党は「今こそ復活のチャンス!」と考えたのです。それは、新型コロナ対策がパネル芸ばかりで、何の実効策も打たない小池百合子に、都民の不満が溜りまくっていたからです。そして「これなら勝てる!」と踏んだ自民党は、恥も外聞もなく60人もの候補者を乱立させたのです。

その結果の33議席ですから、23人を擁立して23人全員が当選した公明党と比べると、ほぼ半分の当選率しかありません。かつて公明党は「我々は自民党のブレーキ役だ」と言っていましたが、これでは自民党の存在が公明党のブレーキになってしまっています。そして、両党の議席数を合わせても、過半数には遠く及びません。ここまでお粗末な結果では、たとえ8議席増でも自民党は「敗北」と言わざるを得ません。

まるで選挙のドシロートが選対本部長をつとめたかのような今回の自民党候補の乱立劇は、ある意味、オウンゴールの色合いもありました。たとえば、定数4の品川区に、自民党は強気の2候補を擁立しました。その結果、公明、無所属、共産、立民の4人が当選し、自民は2人とも落選したのです。しかし、各候補者の得票数を見てみると、当選した4人が23,000票から20,000票なのに対して、落選した自民の2人は18,000票と16,000票なのです。もしも自民党が候補者を1人に絞っていれば、34,000票でトップ当選だったのです。

定数3の目黒区でも、自民党は強気で2候補を擁立し、2人とも落選してしまいました。しかし、こちらも同じで、もしも候補者を1人に絞っていれば、自民党候補はトップ当選していたのです。「二兎を追う者は一兎も得ず」とは、まさにこのことでしょう。

定数7の大田区では、自民党は3人も擁立しましたが、何とか滑り込めたのは当選6回のベテランだけで、残りの2人は落選しました。しかし、こちらも同じで、もしも候補者を2人に絞っていれば、2人とも当選していたのです。

こうして自民党が自滅した一方で、日本共産党は18から19へと1議席増やし、立憲民主党は8から15へと7議席も増やしました。こちらは選挙協力の効果もあり、自民党のように大量の無駄弾を撃たずに済んだのです。

きっこさんのメルマガご登録・詳細はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 都議選ボロ負け自民、衆院選の公約に「また10万円給付」の税金泥棒
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け