稼ぐことより難しい?「お金の使い方」に人間の真価が現れた具体例

 

数年前、オーストラリアの40代の友人が秋葉原にある古風な自販機だけが置いてある一画で、弁当箱のような箱が簡易包装されているだけの商品を500円で買った。

開けると中身は100円もしないスナック菓子「たべっこ動物」で、たべっこ動物は白い紙に包まれ、その紙には政治的なメッセージが油性マジックでびっしりと書かれてあった。

包装紙の中身は何かと友人の中学生の息子と小学生の娘は緊張した様子だったが、その書かれてある言葉が主張したい人の個人的な政治的メッセージだと翻訳すると、落胆したような顔で「なんでそんなの買ったんだ」と母親に嘆くが、母親は一言。

「うるさい、私のお金よ」。

この母親は自分のお金で、いかがわしい秋葉原の一画で日本のレアな文化体験を買ったのだから、満足であろう。

息子にとってはポケモンのグッズの1つでも買えたと思っているかもしれない。

そして、私にとってこの経験は、私が一生買うことのないいかがわしい自販機の体験を得て、その時代の文化を享受することができたので感謝しかない。

お金は難しい。

少なくとも感謝とお金をセットで考えていきたい。

世の中をやさしい視点で描く引地達也さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

引地達也この著者の記事一覧

特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ジャーナリスティックなやさしい未来 』

【著者】 引地達也 【月額】 ¥110/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 稼ぐことより難しい?「お金の使い方」に人間の真価が現れた具体例
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け