【サーチ&リサーチ】
* 《読売》の昨年10月4日付社説では、「防衛費概算要求 新たな領域の能力向上を図れ」として、「宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域」に対処すべく、「着実に防衛力を整備すること」を求めている。他方、高額な最新鋭戦闘機F35Bの購入費666億円や、「いずも」の改修費なども計上されたことについては、「日本周辺の安全保障環境は厳しさを増している。だが、財政事情が悪化する中、高額な装備を際限なく揃えるのは無理だ。政府は優先順位を定め、計画的に導入を進める必要がある。装備を見直し、効率化を図ることが不可欠だ」と言っていて、あまり乗り気ではないようだ。
* 同じく、10月9日付では、例年秋に行われている自衛隊の観閲式や観艦式が、新型コロナウイルスの影響で「無観客」(今年度と来年度)となるという。2015年の観艦式では隊員約8,000人と「いずも」など艦艇約40隻が集められたが、「現場の部隊の運用にしわ寄せが出ていた」といい、「3自衛隊の幹部からは「首相の観閲を受けるだけであれば、一般客を呼ぶ必要はなく、省内で簡略化してできる。コロナの収束も見通せず、廃止を検討する時期ではないか」との声が強まっている」と。
* 今年2月4日付の記事は、安全保障の日英連携に関する内容。当時のメイ首相が来日した2017年8月、メイ首相は護衛艦「いずも」に乗艦。「安全保障共同宣言」を行った。
●uttiiの眼
観艦式は廃止した方がいいのではないかとの話。確かに、儀礼的、恒例行事的なことは必要ではないのかもしれない。しかし、自衛隊ならではの活動がどんどん縮小され、日米共同の軍事行動に全隊がのめり込んでいく有り様が目に浮かんでくるようだ。中でも「いずも」は、観艦式などで遊んでいる暇はない、ということなのかもしれない。そこまで、日米軍事一体化が進んでいる証左でもあろう。
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image by: viper-zero / Shutterstock.com